ビットコイン(Bitcoin)は分散型仮想通貨です。それは金(Gold)に喩えられることが多いです。

金同様、ビットコインも採掘(Mining)という方法で探索することが出来ます。パワフルなコンピュータで高速計算を行うことを専門にしているエンジニアは(何も市場からビットコインを買わなくても、オレは腕に覚えがあるのだから、自分で採掘しよう)と、続々とこのゴールドラッシュに馳せ参じました。

そのような会社のひとつ、アリディアンが破産宣告しました。

アリディアンはハンス・オルセンという、グラフィック・チップ(GPU)の業界では名前の知られたベテランによって率いられていました。オルセンはトライデント・マイクロシステムズやピクセルワークスに勤めていたエグゼクティブです。

Xboxのようなゲーム・コンソルに搭載されるグラフィック・チップの専門家が、なぜビットコインに関係しているかといえば、グラフィック・チップは演算処理能力が極めて高いからです。

ビットコインが出始めた頃は、多くの山師たちは標準GPUを使ってビットコイン採掘を行っていました。しかし参加者が多くなり、新しいビットコインを発見するのがだんだん難しくなるとよりパワフルなカスタムASICs(=専用チップのこと)を使わなくては行けなくなりました。

アリディアンはカスタムASICsを投入して、必死でビットコインを探しました。その結果、これまでに全部で3,041個のビットコインを発掘することに成功しています。

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問題はアリディアンが顧客企業、ビットインベストメントLLCに「8,000個のビットコインを発掘して、納品する」と約束してしまったことです。いつまでたっても約束のビットコイン8,000個の納品が無いことにしびれを切らせたビットインベストメントLLCはアリディアンを訴え、アリディアンは破産宣告しました。

この他にも、複数の顧客に対して「ビットコインを発掘して、届ける」という、今となっては到底果たす事の出来ない契約をしてしまいました。

その一方で探索にかかる装置は当初の線幅110ナノメーターのチップから65ナノメーターへ、さらに28ナノメーターへとどんどん最先端のチップを投入しなくては採掘競争に勝てなくなってきました。その関係で28ナノメーターのカスタムASICをデザインし、削岩機を作るだけで6億円くらいの先行投資が必要になることがわかったのです。下はアリディアンがこれまでに投入した削岩機の稼働状況です。

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今回の倒産劇を巡る法廷ドラマで、ビットコイン探索生産会社の周辺で起きている、激しい採掘コストの高騰が明るみに出ました。これはビットコインの価値を考える上で、大変興味深い事例として引き続き注目されています。