ウォールストリート・ジャーナルによると上院のハリー・リード院内総務(民主党、ネバダ州)が、大統領の指名する行政府の人事に関し、上院が承認投票する際の手続きを変更することを画策しはじめているそうです。

普通、上院では大統領の推す候補者(一例:ジャネット・イエレン次期連邦準備制度理事会議長)を承認する際、二段構えの投票プロセスを経ます。

一回目の投票は「審議打ち切り(クロ―チャー)投票」と呼ばれ、「もうこれで議論を尽くしましたよね? 本投票に、移って良いですよね」ということを確認する票決です。現在の規則では審議打ち切りするためには上院100議席のうち、60議席のYESが必要です。

審議打ち切りが確認され、本投票に移ると、そこでの必要得票数は単純過半数の51票に下がります。つまり本投票の方がハードルが低いのです。

今回、リード院内総務が「審議打ち切り投票」の必要票数を60票から51票に減らそうと提案する背景には、共和党の引き延ばし作戦で、審議がなかなか進まないことが多くなっていることがあります。米国民は、上院でのダラダラ審議や、何も決められない機能不全に、ホトホト嫌気がさしているということがあります。

しかし「審議打ち切り投票」のハードルを下げると、現在55議席を占め、過半数を確保している民主党が、ブルドーザーのようにどんな候補でもゴリ押しできるようになることを意味します。

米国上院の伝統として少数党の意見にも根気よく耳を傾けるという美風があり、今回の提案はそれを止めてしまうことを意味します。

なおジャネット・イエレン次期FRB議長候補の投票は、感謝祭の休暇の後になる予定です。