ビットコインの価格が1000ドルを超えています。ビットコインの「取引所」のひとつ、Mt. Goxにおける今日の高値は1,170ドルでした。因みに1年前の価格は13.03ドルです。

1

最近は数字が大きくなってきたので、巨視的に見た上昇率が解り辛いです。そこで対数グラフにしてみました。

2

今回の急騰局面ですが、複数の材料が折り重なって、上昇の勢いに弾みがついた気がします。

先ず10月半ばに中国の検索エンジン、バイドゥがミュージック・サービスの支払いにビットコインOK宣言を出しました。これが中国の人々からビットコインが注目されるきっかけになったのです。これ以降、中国のビットコイン取引所であるBTCチャイナにおける出来高が日本のMt. Goxを常に上回る構図が定着しました。

さらにカナダの起業家がビットコイン自動販売機をバンクーバーのコーヒーショップに設置し、話題を集めました。ドイツではビットコインでビールを飲ませるパブが、フランスではビットコインで寿司を喰わせる寿司屋が登場するなど、世界の各地で商店主がビットコインを採用しはじめています。

思うに店主の立場からすると「ビットコインOKです」という看板を上げるにはiPadひとつあれば済んでしまうので、キャッシュレジスターを新たに買い直すとか、クレジットカードの読み取り装置を設置するなどの手間がかかりません。これが影響しているのではないでしょうか?


一方、アメリカの上院では「ビットコインが国家安全保障の見地から、大丈夫か?」という公聴会が開かれて、法務省、財務省、国防省、連邦準備制度理事会などのメンバーが次々に証言に立ちました。「別に、いいんじゃないの?」というのがそこでのトーンでした。

さらに中国人民銀行の副総裁が「中国ではビットコインを正貨として認めることは当分ないけど、ビットコインの取引は、勝手にどうぞ」という、事実上の黙認発言が出ました。

それらが、ビットコイン上昇の理由なのです。

それでは、今後はどうでしょうか?

今日はサンクスギビング・デー(感謝祭)で、アメリカ人は皆、七面鳥の丸焼きを食べて、デレデレする日です。でも明日はブラック・フライデー(黒字転換する金曜日)ということで、一年で最も重要なショッピングの日になります。

ビットコイン・ウォレットの業者などが旗振り役をして、「ビットコイン・ブラック・フライデー」という「祭り」が企画されています。つまりこの日、ビットコインでショッピングすると、いろいろ割引しますというアイデアです。

もちろん、ビットコイン価格は一本調子で上昇するというのでは無いでしょう。垂直に騰がったものは、垂直に下がります。ビットコイン自体は010111010001010100000101010という数字の羅列に過ぎません。そこに本源的な価値は何も無いのです。

最近ではビットコインの成功を見て、「よし、それならオレも仮想通貨をはじめるぞ!」という「おらが仮想通貨」設立ブームになっています。このようなビットコインのライバルとなる仮想通貨が乱立すると競争が激しくなるし、その中にはビットコインほど堅牢ではない、「欠陥仮想通貨」も登場するかも知れません。

結局、ビットコインの価値を決めるのは「ネットワーク力」です。これはSNSの時価価値が利用者数によっておおむね決まるのと似ています。つまりビットコインを使う人が増えれば増えるほど、その理論価値は上昇しなければいけないのです。

これは3Comというネットワーク機器の会社を創業したメトカルフェが提唱した「メトカルフェの法則」と呼ばれる考え方です。即ち「ネットワークの価値は、その利用者数の2乗で増す」という考え方です。

ビットコインも「利用者の輪」である以上、或る程度、この法則に縛られると考えるのが自然かな? と思います。

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

【お知らせ】
Market HackのFacebookページに「いいね」することで最新記事をサブスクライブすることができます。
これとは別にMarket Hack編集長、広瀬隆雄の個人のFacebookページもあります。こちらはお友達申請を出して頂ければすぐ承認します。(但し本名を使っている人のみ)
相場のこまごまとした材料のアップデートはMarket HackのFacebookページの方で行って行きたいと考えています。