土曜日早朝に武装した一団がバンコクで整然とデモ行進していた人々に銃撃を浴びせ、一人が死亡、三人が負傷する事件が起きました。警察はこの武装集団がどこから来たのかわからないとしています。

過去二ヶ月ほどの間、バンコクはタクシン前首相の特赦に絡む改憲論争でデモ隊が繰り出す騒ぎになっていますが、これで死者は8人目ということになります。

タイの政治はインラック・チナワット首相ならびにその兄で2006年の軍部によるクーデターで国外追放になっているタクシン・チナワット元首相の支持基盤であるプアタイ(タイ貢献)党と、野党勢力である民主市民連合(PAD)が、国をほぼ真っ二つに割ったカタチで競い合っています。

プアタイ党の支持基盤は貧しい農村で、地域的には北部と北東部です。一方、民主市民連合の支持基盤は都会および南部で、政治リテラシーが高い人々が多いです。

タクシン元首相は、ダイナミックな事業家で、タイ経済の発展に寄与しましたが、その一方で票をカネで買うような行為が批判され、汚職疑惑も出て、このような局面でしばしば「最後の正義の審判」の役目を果たす軍部から睨まれ、クーデターで失脚したわけです。


今回のゴタゴタの原因は元老院(=アメリカの上院に相当)議員を「選挙によって選ばれた代議士のみによって構成される議会」とする計画が持ち上がったことにあります。

そうなればプアタイ党が元老院の過半数を占めやすくなり、それは亡命しているタクシン元首相の特赦法案を成立しやすくなることを意味するわけです。

裁判所は元老院の選挙制移行は違憲であるという見解を示しています。

タイ軍部は「すべてはそのときの状況次第だ」とクーデターの可能性についてはわざとぼかしたコメントをしています。

デモ隊は過去の常套手段として首都バンコクの機能停止を今回も目指しているフシがあり、長期に渡るデモはタイ経済や同国の重要な産業である観光業に悪い影響を与える可能性もあります。

下はタイの代表的なETFであるiShares MSCI Thailand(THD)のチャートです。

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それにしても三菱UFJもまずいときにアユタヤ銀行を買いましたね

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

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