
先週、落胆すべき決算を発表したインテル(ティッカーシンボル:INTC)が、同社としてはかなり大きい人員削減を発表しました。全従業員の約5%に相当する、5,400人を解雇するという計画がそれです。
インテルは今回の発表に先立ち、既にアリゾナ州の半導体工場増設計画を凍結することを発表済みです。
先週発表された第4四半期の決算は、市場予想52¢に対し結果51¢でした。売上高は市場予想137.2億ドルに対し結果138.3億ドルでした。
これでインテルは7期連続してEPSが前年比マイナス若しくは横ばいを記録したことになります。また売上高では5期連続して前年比マイナス若しくは横ばいとなりました。
2014年のガイダンス(=会社側予想)も精彩に欠けるもので、売上高は去年と横ばいになることが示されています。これはアナリストの予想を少し下回る、落胆すべきガイダンスでした。
第4四半期ではパソコンの需要が底打ちしたような印象があるのですが、ウォール街のアナリスト達は「それは4月8日のウインドウズXPのサービス終了にともなう、一時的なアップグレードの影響だ」と見ており、PC需要が新しい上昇サイクルに入るという見方はしていません。実際、インテルも今年のPC市場向け出荷の減少を見込んでいます。
インテルはスマホやタブレットのブームに乗り遅れています。そこで自社設計のCPUだけを製造するのではなく、ファウンドリーとして他社の下請けの仕事もこなしてゆく計画を去年のアナリスト・ミーティングで公表しています。つまりTSMC(台湾セミコンダクター)のビジネスに割り込もうというわけです。
インテルのプロセステクノロジー(製造技術)には定評があります。しかしファウンドリーのビジネスは顧客のニーズに合わせた、タイムリーな納品が要求され、比較的少量のチップを、マスクを頻繁に替えながら、効率よく製作してゆくことが同社に出来るかどうかには、大いに疑問が残ります。もっと言えばオリジナル技術にこだわるインテルの社風が、ファウンドリー事業を進める上でマイナスに働くリスクがあるのです。
「腐っても鯛」じゃないけれど、今のところインテルの財務内容はしっかりしています。実際、先の四半期決算でもグロスマージンは62%と、ほぼ過去のレンジの上限に近い水準にあります。だから同社が経営危機に瀕するのは、まだまだ先の話だと思います。
ただ、昔のようにインテルがハイテク・セクター全体の指標銘柄として注目された時代は、もう遠い過去のものとなりました。

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)
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「腐っても鯛」じゃないけれど、今のところインテルの財務内容はしっかりしています。実際、先の四半期決算でもグロスマージンは62%と、ほぼ過去のレンジの上限に近い水準にあります。だから同社が経営危機に瀕するのは、まだまだ先の話だと思います。
ただ、昔のようにインテルがハイテク・セクター全体の指標銘柄として注目された時代は、もう遠い過去のものとなりました。

【略号の読み方】
DPS一株当り配当
EPS一株当り利益
CFPS一株当りキャッシュフロー
SPS一株当り売上高
(なお上のバリューライン予想は決算発表前の数字)
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