ネットスケープの共同創業者で、ベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツのパートナーであるマーク・アンドリーセンが、ビットコインに関してニューヨーク・タイムズのディールブックに寄稿しました。

そこでマークが展開している論旨を、簡単にまとめます:

暗号化通貨はコンピュータ・サイエンスで言うところの「東ローマ帝国大将間の問題(Byzantine Generals Problem)」を解決するための、ひとつの実用的なやり方だ。

「東ローマ帝国大将間の問題」とは、敵を包囲するかたちで各所に陣地を張った東ローマ帝国の将軍たちが、相手に総攻撃をかける際、協力して共通の作戦を展開することに先ず合意しないといけない。ところが中にスパイが居ると、その作戦が漏れることもあるし、裏切り者が出ると全ての作戦が失敗するというセオリーだ。

インターネットのような信頼の置けないネットワーク(untrusted network)で、見も知らぬ相手(unrelated parties)と取引する場合、一体、どうやって一定の信頼を確保するのか? その問題こそが「東ローマ帝国大将間の問題」に他ならない。

ビットコインは初めてひとりのインターネット・ユーザーが別のインターネット・ユーザーに固有のデジタル・プロパティを譲渡することを可能にしたという点だ。その譲渡は安全かつセキュアーであることがシステム上保証されており、全てのユーザーが「所有権がAさんからBさんに移ったのだ」ということをたちどころに認知でき、誰もこの委譲の正統性に疑問を挟むことは出来ない仕組みになっている。このブレイクスルーの持つ意味は深遠だ。

ビットコインはベアラー(bearer)型通貨であり、その利点は取引するもの同士に事前の相互信頼が無い場合(no pre-existing trust)でも取引そのものの信頼性を毀損するものではない点だ。

暗号化通貨の価値は、その数量と取引記録(ledger)の中で処理される支払いのベロシティ(velocity=速度)によって決まって来る。

いまビットコイン価格が乱高下していて、それが通商に適さないという指摘は、ベロシティが早くなれば瞬時に手持ちのポジションを処分できるようになるわけだから、問題ではなくなる。

ネット通販や実店舗の量販店は、普通、マージンが5%も無い。それなのにクレジット・カード会社などにトランザクションのフィーを取られていたら、たまったものじゃない。ビットコインはトランザクション・コストが限りなくゼロに近いわけだから、自ずとそっちへ行きたいという力が働く。


マークの論旨は、大体、そんなところです。

最後にビットコインの最近の価格チャートを載せておきます。

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それから中国政府がビットコインを禁止したので、各市場の出来高シェアに大きな変化が出ています。まずBTC Chinaを含んだチャートです。

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次にBTC Chinaを除いたチャートです。

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(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

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