ウルトラジェニックス・ファーマシューティカルズ(ティッカーシンボル:RARE)はカリフォルニア州マリン郡ノバトに本社を置くバイオテクノロジー企業です。

最近、マリン郡には数社のバイオテクノロジー企業が出てきており、代表的なところではバイオマリン(ティッカーシンボル:BMRN)、ラプター(ティッカーシンボル:RPTP)などがあります。

実際、ウルトラジェニックスは元バイオマリンのメンバーが立ち上げた企業で、その経営理念にはバイオマリンで成功した方程式が援用されているように思います。

それではそのアプローチとは何かといえば:

希少・重篤だが未だ治療薬が無い疾病のみにフォーカスする
疾病が発生するメカニズム、その治療メカニズムがハッキリ特定できる場合のみ開発に着手する
全て独自開発ではなく、インライセンシング(in-licensing)主体で開発を進める
常に複数の新薬を開発し、リスク分散を図ると同時に脈が無ければすぐ損切りする


などです。

このうち「希少(レア)な病気」というのは、今、アメリカのバイオ投資の世界で重要なBuzz wordになっています。レアな病気がホットになっている理由は以前に書いたので繰り返しません。

ウルトラジェニックスのCEOのエミル・カーキスは、もともとバイオマリンのチーフ・メディカル・オフィサーでした。

またインライセンシングのディールなどを交渉する責任者であるトーマス・カスバーグはコリウム、プロテオリックスなどのバイオ企業出身です。

財務部長のシャリーニ・シャープはエージナス、イーラン、マッキンゼー、ゴールドマン・サックスなどに勤めていました。

ウルトラジェニックスは第一弾として低リン血圧性くる病治療薬(KRN23)の開発を急いでいます。

このKRN23は日本の協和発酵キリンが開発したもので、ウルトラジェニックスはそれをインライセンシングし、共同で開発、販売にあたるものです。

くる病とは骨が弱くなってしまい、骨格が歪曲したりする病気ですが、大きく分けてビタミンD不足など、生活環境によって引き起こされるケースと遺伝子異常によって起こるケースに分けられます。このうちKRN23がターゲットにしているのは後者、つまり遺伝子異常のケースです。

そこではリンが腎臓で再吸収される機能が低下することで骨が脆くなってしまう症状が発生します。日本国内の患者数は1000人前後だと思います。

KRN23は成人向けフェイズⅠ試験が終了し、その結果は去年の10月に米国骨代謝学会にて報告されています。それによると血中のリン濃度は高まり、カルシウム排泄に変化は無く、副作用もありませんでした。

低リン血圧性くる病治療薬は小児における発病が特に問題となっているので、近く小児向けの臨床試験を開始する予定です。

同社はこの他、4つの新薬候補を開発中です。

同社はこれまでに2回のベンチャー・ファンディングを行っており、1回目はTPG、AMパパから、2回目はフィディリティ(ビーコン)、キャピタル・リサーチ、コロンビア・ワンガー、ジェニソン、ブラックロック、ジェンザイム、シャイアーなどから出資を受けています。合計調達額は約1億ドルです。

会社名:ウルトラジェニックス・ファーマシューティカルズ(UltraGenyx Pharmaceuticals)
ティッカーシンボル:RARE
初値レンジ:14から17ドル
今回発行株数:484万株
ディール後発行済み株式数:2,814万株
幹事構成:JPモルガン、モルガン・スタンレー、カウエン、カナコード・ジェニュイティ