安倍首相がインドを訪問し、マンモハン・シン首相と会見しました。

今回の訪問は、将来、資源ルートを日本が自分で守らなければいけなくなる日が来ることに備えての下準備と言えます。

また同様の準備を着々と進めている中国に対抗するという意味もあります。

下の地図を見て下さい。

1

中国は今、パキスタンのグワダル港、スリランカのハンバントータ港、ミャンマーのダーウェイ港、バングラデシュのチッタゴン港の新設、ないしは拡張工事でこれらの国々を資金面、技術面で支援しています。

これらの港が、ちょうどインドを包囲するカタチになっていることが目をひきます。

またミャンマーは第二次世界大戦当時、援蒋ルートと呼ばれる、軍事物資の補給路(水色)が通っていたことで知られています。重慶まで追い詰められ、中国沿岸をすべて日本軍に封鎖されてしまった蒋介石を「裏口」から支援しょうじゃないか? というプランだったわけです。

この時の経験から、中国は資源ルートの安全保障のため、友好的な関係を、その通り道の各国と築いておくことの重要性を熟知しています。

さて、これまで中東の番犬の役目を果たしてきたのはアメリカでした。

しかしアメリカは今、シェールガス・ブームに沸いており、中東からの原油への依存度は下がっています。経済的利害が薄れるとともに、軍事的な関心も薄れてきているわけです。

いまペルシャ湾に面した各国から出荷される石油ならびに天然ガスに最も依存しているのは日本、中国、韓国です。

アメリカがこの地域でのプレゼンスを低下させた場合、その「力の真空」を埋めるのは、これらの最大顧客の各国であると考えるのが自然です。

冒頭で述べた四つの港は、全て中国の潜水艦が寄港できるようにする予定だそうです。これに比べて、日本の準備は出来ているのでしょうか?

中国とインドは「犬猿の仲」です。実はアメリカとインドも、外交史を紐解くと、仲が悪かった……。

すると日本が、その生命線である資源補給ルートの安全確保をしようと考えれば、インドがロジカルなパートナーになるのです。

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

【お知らせ】
Market HackのFacebookページに「いいね」することで最新記事をサブスクライブすることができます。
これとは別にMarket Hack編集長、広瀬隆雄の個人のFacebookページもあります。こちらはお友達申請を出して頂ければすぐ承認します。(但し本名を使っている人のみ)
相場のこまごまとした材料のアップデートはMarket HackのFacebookページの方で行って行きたいと考えています。

下は僕が最近、出した本です。