米国の地場新聞、インベスターズ・ビジネス・デイリーは２月１１日に発表が予定されているスプリント（ティッカーシンボル：S＝ソフトバンクが８０％株式を支配）の決算が、ソフトバンクによる次の買収発表の直接のきっかけになるかもしれないと観測しています。

その決算発表ではスプリントのポストペイドのサブスクライバー（加入者）数が一気に４７．５万人減少するのでは？　と一部のアナリストは見ています。これは去年の第４四半期のサブスクライバーの減少の、ほぼ２倍のペースです。

一方、Tモバイル（ティッカーシンボル：TMUS＝ドイチェテレコムが６７％株式を支配）はアグレッシブなキャンペーンが功を奏して今期８６．９万人の新規サブスクライバーを獲得したことを既に発表しています。Tモバイルの決算発表は２月２５日です。Tモバイルは主にAT&T（ティッカーシンボル：T）とスプリントからサブスクライバーを奪っているそうです。

このため、折角、手に入れたスプリントの事業価値を護るために、いま勢いに乗っているTモバイルを買収し、２社を統合してしまうというシナリオがアナリストの間でささやかれるのです。

現在、ベライゾン（ティッカーシンボル：VZ）、ＡＴ＆Ｔ、Tモバイルの３社はアグレッシブに次世代ネットワークへの投資を行っています。もちろんスプリントも今後、ネットワーク・キャパシティの増強を行うわけですが、今のところ出遅れ感が強いです。

問題は司法省がスプリントとTモバイルの合併を許すか？　という点です。実際、過去にAT&TがTモバイルを買おうとしたときは、司法省はこれを阻止しました。ただ今回のスプリントとTモバイルの組み合わせなら、独禁法上問題無いという見方もあります。