1月22日に国際通貨基金(IMF)韓国に関する年次協議報告書(ArticleⅣ consultation)を出しました。

年次協議報告書とはIMFの定款に基づきIMFがそれぞれの加盟国と1対1のディスカッションをする際のタタキ台になる資料です。IMFのスタッフがその国に赴き、経済データや金融情報を収集し、現地の財務担当官と面談します。その後、IMF本部に帰った調査員はレポートをまとめ、それをIMFのエグゼクティブ・ボードに承認される必要があります。つまり年次協議報告書こそ、IMFの、個々の国の経済の現状に関する公式意見なのです。

その報告書の中でIMFは「韓国経済は2012年に減速したが、ボトムをつけた」としています。(比較のためIMFのWEO Databaseから拾った日本のデータも添えておきます)

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経常収支が改善しているのは輸出の好調と内需が弱々しいことが原因だと分析しています。

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内需が強くないのでインフレは同国がターゲットにしている2.5%~3.5%より低くなっています。

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失業率は安定しています。

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IMFは韓国政府が財政面でとりわけ思慮深い(prudence)点を高く評価しています。

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政府債務も小さいです。

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目先の同国経済にとってのリスクは外国の経済が鈍化することで輸出が悪影響を受けるなどのシナリオです。

民間部門の負債は大きく、また内需が弱いことも潜在成長力を低下させる原因になるかも知れないとしています。

韓国の金融セクターの足腰は2008年のリーマンショック以降、強くなっており、銀行の流動性は改善しているとしています。また銀行の自己資本(14.3%)は充実しています。ノンパフォーミング・アセットの比率は低く、バランスシート整理の努力を反映しています。

IMFは韓国の経済政策立案を巧い(skillful)と称えています。

以上がリリースのサマリーですが、詳細レポートは未だIMFのウェブサイトには掲載されていません。

なおWEO Databaseから作成した、韓国と日本の2000年以降の両国間GDPシェアのグラフを掲載しておきます。(これはArticleⅣには含まれていません)

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(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

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