今週末、3月30日(日曜日)にトルコで統一地方選挙があります。
今回の選挙は実質的にエルドアン首相の信任投票のような様相を呈しています。
エルドアン首相は2003年から首相の座にあり、政権が長期化しています。彼はAKP(公正発展党)というイスラム色の強い政党を代表しています。
エルドアン首相が在任中にトルコ軍部(イスラム派に対抗する、世俗派です)の幹部が次々に投獄され、その数は100人以上に及び、軍部の政治介入は、かなり根絶されています。
このパージ(粛清)の過程においては、ディープ・ステートと呼ばれる、影の集団の暗躍があったと言われています。
ディープ・ステートを「軍部に通じている」とか「イスラム派に通じている」とする意見もありますが、それは単純すぎる見方だと思います。
どうやらその真相は、必ずしも為政者の意のままにならない、法の統治の枠組みを無視したダークな存在という風に理解した方が良さそうです。
なぜならエルドアン首相の宿敵であるトルコ軍部の粛清に一役買ったと言われるディープ・ステートは、今度は返す刀でエルドアン首相にその矛先を向けているように思われるからです。
事実、このところYouTubeなどを通じて、連日のようにエルドアン首相の怪しい蓄財の証拠がネット上にばらまかれています。息子との会話で、海外の秘密口座に「おまえ、例のカネはちゃんと移せたのか?」とか、そういうやりとりが暴露され、バイラルな炎上を起こしているのです。
選挙を目前に控え、いたたまれなくなったエルドアン首相は「ツイッターを遮断する!」と宣言しましたが、トルコ政府は無残にこの試みに失敗し、ツイッターで#Turkeyがトレンディングしてしまう、逆炎上の様相を呈しています。
つまりディープ・ステートは『ハリーポッター』のヴォルディモート卿と、彼らの操る死喰い人のように「名前を言ってはいけないあの人」的な、隠然たる影響力をトルコ政界に縦横に行使しているわけです。
これは海外の投資家の目線からすると、ちょっと怖いです。
トルコ経済はこのところスランプに陥っています。
今回の選挙は実質的にエルドアン首相の信任投票のような様相を呈しています。
エルドアン首相は2003年から首相の座にあり、政権が長期化しています。彼はAKP(公正発展党)というイスラム色の強い政党を代表しています。
エルドアン首相が在任中にトルコ軍部(イスラム派に対抗する、世俗派です)の幹部が次々に投獄され、その数は100人以上に及び、軍部の政治介入は、かなり根絶されています。
このパージ(粛清)の過程においては、ディープ・ステートと呼ばれる、影の集団の暗躍があったと言われています。
ディープ・ステートを「軍部に通じている」とか「イスラム派に通じている」とする意見もありますが、それは単純すぎる見方だと思います。
どうやらその真相は、必ずしも為政者の意のままにならない、法の統治の枠組みを無視したダークな存在という風に理解した方が良さそうです。
なぜならエルドアン首相の宿敵であるトルコ軍部の粛清に一役買ったと言われるディープ・ステートは、今度は返す刀でエルドアン首相にその矛先を向けているように思われるからです。
事実、このところYouTubeなどを通じて、連日のようにエルドアン首相の怪しい蓄財の証拠がネット上にばらまかれています。息子との会話で、海外の秘密口座に「おまえ、例のカネはちゃんと移せたのか?」とか、そういうやりとりが暴露され、バイラルな炎上を起こしているのです。
選挙を目前に控え、いたたまれなくなったエルドアン首相は「ツイッターを遮断する!」と宣言しましたが、トルコ政府は無残にこの試みに失敗し、ツイッターで#Turkeyがトレンディングしてしまう、逆炎上の様相を呈しています。
つまりディープ・ステートは『ハリーポッター』のヴォルディモート卿と、彼らの操る死喰い人のように「名前を言ってはいけないあの人」的な、隠然たる影響力をトルコ政界に縦横に行使しているわけです。
これは海外の投資家の目線からすると、ちょっと怖いです。
トルコ経済はこのところスランプに陥っています。

失業率は高止まりしており、国民は雇用に不安を持っています。

さらに悪い事にインフレは高止まりしており、不景気なのに物価が高いという、サイアクの取り合わせになっています。

この理由はトルコが歴史的に「身の丈以上」の消費をしてきており、トルコ・リラの下落で輸入品物価が高騰しているからです。
トルコの経常収支はどんどん悪化しています。

トルコはこのような「身の丈以上」の消費をやりくりする便法として、海外投資家からの投資資金に依存するという危ないやり方をしてきました。言い換えれば、国内の貯蓄が慢性的に不足しているわけです。
海外の投資家は最近、トルコのこうした「宵越しの金は持たない」式の経済運営に不安を感じ始めており、財政の立て直しを要求していますが、財政赤字体質は、ちっとも改善されていません。

つまり選挙の結果、「何も変わらない」ということが判明すると、トルコ国民の不満が爆発し、ウクライナみたいなコトになるリスクもあるのです。
僕なら、嫌ですけどね。そんなホラーな状況に付き合わされるのは。
でも日本では60本以上のトルコ・リラ債券を組み入れた投信が販売されています。悪口言えば、刺客が遣されかねない雰囲気……
「私は、貝になりたい」
(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)
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相場のこまごまとした材料のアップデートはMarket HackのFacebookページの方で行って行きたいと考えています。

さらに悪い事にインフレは高止まりしており、不景気なのに物価が高いという、サイアクの取り合わせになっています。

この理由はトルコが歴史的に「身の丈以上」の消費をしてきており、トルコ・リラの下落で輸入品物価が高騰しているからです。
トルコの経常収支はどんどん悪化しています。

トルコはこのような「身の丈以上」の消費をやりくりする便法として、海外投資家からの投資資金に依存するという危ないやり方をしてきました。言い換えれば、国内の貯蓄が慢性的に不足しているわけです。
海外の投資家は最近、トルコのこうした「宵越しの金は持たない」式の経済運営に不安を感じ始めており、財政の立て直しを要求していますが、財政赤字体質は、ちっとも改善されていません。

つまり選挙の結果、「何も変わらない」ということが判明すると、トルコ国民の不満が爆発し、ウクライナみたいなコトになるリスクもあるのです。
僕なら、嫌ですけどね。そんなホラーな状況に付き合わされるのは。
でも日本では60本以上のトルコ・リラ債券を組み入れた投信が販売されています。悪口言えば、刺客が遣されかねない雰囲気……
「私は、貝になりたい」
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