MOOCとは大規模オンライン公開コースの略です。

最近、MOOCがブームになっています。確かに受講者の個人的な知的興味を満足させる余暇の過ごし方として、MOOCは魅力的だし、僕自身も時間があればやってみたいなと思います。

ただ……

よく理解しておかなければいけないことは、MOOCを終了して受講者(=敢えて学生という言葉は使いません)が得られるのは、そのコースの「修了証」であって「学位(Fully credentialed degrees)」じゃないということ。

この二つは似ているようで、月とスッポンくらいの差があります。

早い話、アメリカではMOOCを終了した事が求職者の履歴書に書かれていても、採用担当者は「あ、そう」程度でオシマイ。真剣にそれを受けとめることはしないと思います。

なぜか?

それはMOOCには受講者の質を保つ仕組みが欠如しているからです。

言いかえれば、誰でも、無料で有名大学の授業が閲覧できることは、それを視聴した人がハーバードやMITの卒業生と同じアカデミックな達成度(Education outcomes)に到達できることを意味しないのです。

若し、片手間にそれらのMOOCを視聴した視聴者に、リアルの大学の卒業生と同じクレデンシャルを付与してしまえば、ハーバードやMITの学位の価値は、一瞬にしてシャバシャバに薄められたお粥のように価値を失ってしまうでしょう。

大学教育の質を薄め、その価値を毀損するようなプログラムでは逆効果です。そうではなくて学位の質を向上させるオンライン教育システムでないと意味がないのです。

本当に学位の質を向上させるようなオンライン教育システムは費用がかかるし、生徒の質を保つためにライブ・セッションなどの補完的なカリキュラムがビルトインされています。そのような本格的なプログラムは既に存在するし、それらは大学の授業料と全くかわらない(=つまりバカ高い)フィーを学生から取っています。

従って、今、各大学が鳴り物入りで展開している無料、無試験のMOOCはエロサイト閲覧してオナニーするのと、大して変わらないと認識した方が良いと思います。しょせん新手のマーケティングの域を出ていないんですよ、MOOCなんて。