昨日、グーグルの株価が突然半分になりました。これは分割が原因です。

これまで一般の株主が保有していたグーグル株は投票権のあるクラスA株式(新しいティッカーシンボルはGOOGL)と、投票権の無いクラスC株式(新しいティッカーシンボルはGOOG)の二種類に化けたわけです。

実は創業者、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリンらが保有している、第三の種類の株式にクラスBという非上場株があります。これは投票権のあるクラスAの10倍の投票権を付与されています。

ややこしいですか?

別の角度から説明すれば、今回のグーグル株の分割は、創業者の投票権が将来、薄められることが無いようにするための措置です。

現在、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリンらの一握りの経営者たちは投票権の84%を占めるクラスB株を中心に保有しています。10倍の投票パワーを持つ、このクラスB株を主に保有していることから、二人はグーグルの投票権の55.7%を支配しているのです。

グーグルは今後も大きなM&Aをやるかもしれません。そのとき、買収のカレンシーとして株式を発行することが予想されます。また従業員のストックオプションも出すでしょう。すると放置しておけばこの二人の過半数株式支配は、だんだん脅かされてしまうのです。

その点、新しく作ったクラスC株式は、投票権が無いので、どれだけ発行しても投票権の希釈化を心配する必要はありません。

さて、コーポレート・ガバナンスの観点からすると、今回のグーグルの措置は、かなりクソなやり方だと言わざるを得ません。

あとクラスCという新しい株式を設けることは、既存株主のベースの弱体化につながり、長い目でみればグーグルのためにならないと思います。

アメリカの機関投資家の中にはミューチャル・ファンドのように投票権のある株式を買うことを内規で定められた大口投資家も多いです。この反面、ヘッジファンドがダウンサイドのヘッジのためにグーグル株をショートする場合、投票権の有無は問題にならないでしょう。

このように投資主体によってGOOGとGOOGLの間で持ち株をシャッフルする作業が起こると予想されます。

実際、すでにこの二つの株価は乖離しはじめています。

当然、投票権のあるGOOGLの方が、すこし割高に買われるわけです。

このGOOGとGOOGLは両方ともS&P500指数に採用されることが決まっています。なぜならS&P500指数は時価総額比重の株価指数であり、片方だけを採用すると、突然、グーグルの指数に対するインパクトが半減してしまうからです。

そのことは「S&P500指数」といいながら、実際には501種類の銘柄が採用されていることを意味するのです。