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今日、コカコーラ(ティッカーシンボル:KO)が一時急騰する場面がありました。

その理由は独立系バリュー型投信、ウインターグリーン・ファンズのファンドマネージャー、デビッド・ウインタースがコカコーラの監査、役員報酬、企業統治の委員長を務める社外取締役に対して公開状を送付したからです。その主旨をかいつまんで紹介すると;

最近、コカコーラにLBOの噂が出ている。それによればウォーレン・バフェットの投資会社、バークシャー・ハサウェイとブラジルの3Gキャピタルが共同でコカコーラの非公開化を狙っているということだ。バークシャー・ハサウェイと3Gキャピタルは過去にもハインツを同様の方法で非公開化した。ウォーレン・バフェットはメディアの取材に対して「ハインツのディールは、今後、バークシャーと3Gが共同して同様のM&Aをおこなうテンプレート(ひな形)を提供している」とコメントした。これは利益相反を生じる可能性がある。


CNBCのデビッド・フェーバーとベッキー・クイックは「そのようなディールは、ちょっと考えられない」としています。なぜならコカコーラの時価総額は1,790億ドルであり、これにLBOするのに必要なプレミアムを乗せると2,500億ドル近い金額を提示しなければいけないからです。

3Gキャピタルは尊敬されており、巨額の借入をする能力があるし、バークシャーも高い資金調達力を持っているけれど、この金額は容易に準備できる限度を超えています。

ベッキー・クイックはバフェットに電話を入れて「このレターをどう思うか?」と質問しました。バフェットは「そのようなディールは考えられない」と回答したそうです。

さて、ここからは僕の考えですが、先ずデビッド・ウインタースはウインターグリーン・ファンズを立ち上げる前にはフランクリン・ミューチャル・シリーズ・ファンズでファンドマネージャーをしていました。ミューチャル・シリーズはマックス・ハイネによって創業された、米国屈指のバリュー投資型の投資信託です。


デビッド・ウインタースの師匠はケミカル銀行とチェース・マンハッタン銀行の合併をけしかけた、ファンドマネージャー、マイケル・プライスです。

つまりウォール街のインサイダーにとっては、かなりクレディビリティのある男が、今回、このようなことを言い出したというわけです。

コカコーラ株は、なるほど長期でみれば素晴らしいパフォーマンスでしたが、最近はS&P500に後れを取っています。またこの春問題になった社員報酬の一件でもわかるように、株主はイライラを募らせています。

このところの低金利で社債市場の発行環境は良いし、M&Aも盛んです。すると資本のサイクルの観点からすれば、「いまやらなくて、何時やるの?」という議論も出来るわけです。

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)

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