最近の原油価格の急落でベネズエラが窮地に立たされています。

オイル&ガス・ジャーナルによるとベネズエラは世界で原油の確認埋蔵量が最も多い国です。

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ベネズエラの確認埋蔵量の少なからぬ部分はオリノコ・ベルトと呼ばれる地域に集中しており、粘り気の強いヘビー・オイルです。

ベネズエラの国営石油会社はPDVSAと呼ばれています。1999年にウゴ・チャベスが大統領になってから、PDVSAに対する政府の干渉が強まりました。2002年にはPDVSAの全従業員の約半分がストライキに入り操業が混乱します。外国企業の締め出し政策の影響でベネズエラの石油セクターに対する投資は落ち込み、生産高は2005年頃の280万バレル/日から現在は249万バレル/日に減っています。

ベネズエラの石油はヘビーで、かつサワー(硫黄分が多い)です。その関係で特別な石油精製施設を必要とします。PDVSAの石油精製施設は、下のような地域にあります。

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ベネズエラはアメリカに近いので、歴史的にアメリカに沢山石油を輸出してきました。

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しかしウゴ・チャベスが大統領になって以来、米国との関係は冷え込んでおり、さらにアメリカでシェール・オイルが開発されるようになったのでアメリカ向け輸出は大打撃を受けました。

ベネズエラ政府は買票のためのバラマキ政治を続けているので支出が増え放題になっています。その反面、原油価格の低迷と上で述べた生産の減少、さらに米国からの需要の激減などで政府の収支バランスは著しく損なわれています。

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ベネズエラの通貨、ボリバルは闇レートで急落しており、それは輸入品のインフレの一因となっています。

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ベネズエラのGDPは、マイナス成長となっています。

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ベネズエラ政府は石油収入の激減のため中央銀行ならびに国家統計局からの経済統計の発表をここ数カ月停止しています。しかし外貨不足は輸入代金の支払い困難を生じており、国内で深刻なモノ不足が生じています。

食肉、米、バター、小麦粉、砂糖などの価格が急騰しています。

チャベスの死後、大統領となったニコラス・マドゥロは昔のような買票が出来なくなり、来年の議会選挙で苦戦することが予想されます。