バイオ医薬品企業、アッヴィ(ティッカーシンボル:ABBV)のC型肝炎治療薬が19日(金)米国食品医薬品局(FDA)から承認されました。これは大方の予想通りです。

アッヴィのC型肝炎治療薬はギリアド・サイエンシズ(ティッカーシンボル:GILD)のC型肝炎治療薬に次ぐ、第二の治療薬です。アッヴィの薬も、ギリアドの薬もインターフェロンを投与しないタイプの、新治療法です。

アッヴィのC型肝炎治療薬は$83,319(約996万円)します。これはギリアドの「ハーボニ」の$94,500(約1,130万円)より少し安い価格設定です。どちらの薬も服用期間は12週間です。アッヴィ、ギリアドどちらの治療法も治癒率は90%を超えます。

大きな相違点はギリアドの「ハーボニ」が一日一錠という極めてシンプルな処方箋であるのに対してアッヴィの方は、NS5A阻害剤オムビタスビル(ombitasvir=別名ABT-267)、パリタブレビル(paritaprevirまたはViekirax)、ダサブビル(dasabuvir)という三つの薬をカクテルにした処方箋(このセットはヴィキラ・パックと呼ばれることもあります)になっている点です。患者は朝起きたらこの三錠のクスリを飲み、さらに夜一錠飲みます。これらに加えてリバヴィリン(ribavirin)という昔からあるC型肝炎向けのジェネリック薬を一日二回服用することが勧められています。但し例外は遺伝子型1bの、肝臓硬変症の無い患者です。

遺伝子型1aの、肝臓硬変症のある患者の場合、アッヴィのカクテル処方箋を24週間服用することが奨励されています。

今回、FDAが承認したラベル表記は遺伝子型1患者だけですが、米国のC型肝炎患者の7割はこのタイプに属すると思われます。

ギリアドの処方ガイドラインがアッヴィのそれと異なるもう一つの点は、ギリアドの「ハーボニ」の場合、肝臓硬変症の無い患者で、今回は初めての治療である患者の場合、12週間ではなく8週間の服用期間を試しても良いという点です。ギリアドの考えでは遺伝子型1患者の45%がこれに相当するとしています。

C型肝炎治療薬の市場規模は180億ドルとも言われており、このうちギリアドが84%、アッヴィが16%程度を占めると予想されています。アッヴィのシェア予想の方が低い理由は、処方箋が複雑だからです。アッヴィはギリアドの「ハーボニ」より12%程度安い価格設定をすることでギリアドの牙城に割り込もうとしているわけです。