権威ある「コンシュマー・リポーツ」誌で「全米一美味しいハンバーガー」にランクされたHabit(ハビット)を展開するザ・ハビット・レストランツ(ティッカーシンボル:HABT)が最近、ナスダックに上場されました。

先ず2014年7月に発表された「コンシュマー・リポーツ」の「アメリカ最高・最悪のファーストフード・レストラン」調査のうちハンバーガーのカテゴリーのランキングは次の通りでした:

【ベスト】
1位 ザ・ハビット・バーガー・グリル 8.1ポイント
2位 In-N-Outバーガー 8.0ポイント
3位 ファイブガイズ・バーガー 7.9ポイント

【ワースト】
19位 バーガーキング 6.6ポイント
20位 ジャック・イン・ザ・ボックス 6.6ポイント
21位 マクドナルド 5.8ポイント

このうち第2位にランクされたIn-N-Outバーガーは、カリフォルニアを中心に、いまとても勢いのあるブランドであり、高校生や大学生にも人気です。しかし第1位のハビットに関しては近くに店舗が無いので、これまで行った事がありませんでした。

クリスマス休暇でピズモビーチの親戚の家に行った時、そのちかくにあるザ・ハビット・バーガー・グリルを試す機会がありました。我々が行ったのはサンルイスオビスポのダウンタウン店です。

ハビットのメニューの中核は、下の写真にあるようなハンバーガーです。

1
(出典:ハビット・レストランツのプレス向けキットより、以下の写真はすべて同様)

その特徴は、最近アメリカで成功しているチポトレ(CMG)やゾーイズ(ZOES)などと同じように、一切、冷凍された食材を使用しない点にあります。新鮮な食材を、ローカルに調達し、キッチンで全部調理します。その関係で、電子レンジはありません。

また作り置きは一切しません。言い換えれば、顧客から注文が入るまで、バーガーをグリルの上に並べないという方針です。

これはバーガーが焼き上がるまで、顧客は待たされることを意味します。ハビットで顧客が注文してからバーガーが出てくるまで、7分間かかります。顧客はプラスチックのページャーを渡され、席でそのページャーが点滅するまで待ちます。

因みにライバルのIn-N-Outバーガーの場合、注文カウンターの隣に、注文が出来上がるまで待機する腰掛スペースがあり、そこに何十人もの来店客が鈴なりになって自分の番号がスピーカーで呼ばれるのを待っています。この混雑した待合室的な雰囲気を鬱陶しいと感じる来店客も居れば、ワクワク感があると思う顧客も居ます。

ハビットの場合、ページャーで呼び出されるので、注文カウンター付近の混雑は、ありません。店内の雰囲気もファーストフードと言うより、普通のレストランに近いです。

2

このことはランチの時間帯ではなく、ディナーの時間帯の来店客も多いことを示唆しています。メニュー単価も(=これは土地柄によって価格差があるのですが)In-N-Outバーガーとほぼ同じだと思いました。



ちなみにハビットの売出目論見書によると最もベーシックな、チーズ炭焼きバーガー(Charburger)の単価は$3.50で、これは競合他社のハンバーガーの価格設定とほぼ同じだそうです。来店客あたりのチケット・プライスは$7.56だそうです。

本題のバーガーですが、僕の印象としてはIn-N-Outよりフレッシュで美味しいと思いました。またアウトドア・バーベキューなどで本格的に調理されたバーガーにありがちな、胃にもたれるような重さも感じませんでした。言い換えれば、ヘルシーな印象ということです。バーガー自体は、炭焼き風の匂いがして、オーソドックスなバーベキュー式のグリルを使っているに違いないと感じました。

ワイフや息子たちの意見も「In-N-Outより美味しい」というものでした。

なおIn-N-Outバーガーの大半は高速道路の出入り口付近などに立地しており、マクドナルドの「M」のアーチと同様、遠くからでも一目でわかる看板が出ています。店舗自体の設計も、クルマでの来店を想定して、大きな駐車場を備え、さらにドライブスルー対応になっています。

これに対しハビットは、街中やショッピングモール内に店舗を構えており、チポトレなどの出店戦略に近いです。

ハビットのインテリアはマクドナルドやIn-N-Outに比べると高級感があります。椅子がステンレス製なのは、清掃を簡単にするためだと思います。

3

もうひとつハビットがマクドナルドやIn-N-Outバーガーと違う点は、店長とおぼしき接客の中心になっているマネージャーが居て、とてもフレンドリーで礼儀正しい接客をしている点です。それはマクドナルドやin-N-Outバーガーのようなマニュアル化された、機械的な受け答えとは全然違います。

ハビットは1969年にカリフォルニア州サンタバーバラで開業しました。2008年に現在のCEOであるラッセル・ベンデルに交代するまでは全然店舗を拡張していなかったのですが、その後、成長戦略を打ちだし、現在、99店舗になっています。その大半はカリフォルニア州です。

1

同社の既存店売上比較はこのようになっています。

2

売上高は下の通りです。

3

EBITDA(利払い・税金・償却前利益)は下の通りです。

4

純利益は下の通りです。

5

さて、銘柄としてのハビットですが、現在は未だ出店数が99と極めて少ないので、相場の一階部分から乗れる、極めて若いストーリーだと感じます。

habt

それは裏を返せば、リスクも極めて大きいという点です。

そもそも事業規模が小さいので個々の店舗の不振が全体に与える影響は大きいだろうし、小さな出店判断のミスが全体の足を引っ張るリスクも大きいです。

またハンバーガーは巨大なカテゴリーである反面、競争も極めて激しく、マクドナルドをはじめとした財務的に圧倒的に有利な立場にある巨大企業が本気を出せばハビットなどひとたまりもありません。

その反面、ハビットのビジネス・モデルはよく練られており、普遍性があります。カリフォルニアでの成功を他州で繰り返すのは容易だと思うし、ハンバーガーは土地柄などに影響されないと思います。