ドイツの合計特殊出生率は1.32で、日本の1.27と同じくらい低いです。ドイツは東西ドイツの統合以来、最も低い失業率を記録しており、ミュンヘンやシュツットガルトなどの工業が盛んな都市では熟練工が不足気味です。

ドイツはこの状況を克服するため、積極的な移民受け入れ策を講じてきました。その結果、2013年には123万人の移民がドイツに入国しました。

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出国者を差し引いた純流入数は43万人です。2010年が13万人だったので、いかに急速に移民が増えているかわかると思います。

このトレンドに、国内から反発が出ています。ドレスデンでは毎週、反移民デモ行進が行われており、先週のイベントには1万7千人が参加しました。

メルケル首相はこれに対し「デモ行進の主催者は偏見に満ちており、冷淡で、心のうちに憎悪を秘めている」と新年の年頭所感演説で異例の言及をしました。

現在のところドイツの反移民運動には地域差があり、製造業の中心になっている都市では排外意識は少ないです。

ドイツの人口は約8千万人なので、43万人の純流入は0.53%に相当します。また現在ドイツに住んでいる外国人の総数は700万人、つまり人口の8.7%に相当します。これはEU平均の6.5%より高いです。1950年以降にドイツに移住した外国人ならびにその子供たちから成る非ドイツ人がドイツの人口全体に占める割合は約20%です。

歴史的にトルコからドイツへ移民してきた人口が最も多いです。現在は移民の70%が他のEUメンバー国の出身です。ポーランド、ルーマニア、ブルガリアなどが常連ですが、ギリシャ危機以降はギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインからの移民も増えています。

こうした移民問題の争点化の流れの中で、ギリシャは1月25日に総選挙を行います。若し反EUの左派が得票を伸ばした場合、ギリシャはドイツが示したギリシャ危機収拾のロードマップを放棄するリスクがあります。するとこの総選挙の前に欧州中央銀行(ECB)が量的緩和政策(QE)を発表し、ギリシャをはじめとした南欧の国債を購入することにはドイツから一層の反発が出ることが予想されます。