昨日、ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)が「あと2年すれば世界中でNETFLIXのサービスを楽しめるようになる」とぶち上げました。これを受けて同社株は+17%急騰しています。
同社のコメントで注目されたのは「映画会社からコンテンツを買ってくるより、自分でTVドラマや映画を内製した方が、コストが割安につく」という部分です。
ネットフリックスだけでなく、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)も最近、TVドラマや映画の内製をはじめています。ウッディー・アレンを起用したのは、その一環です。
この企業戦略のポイントは、フレッシュなコンテンツを「これが観れるのは、ここだけですよ」とアピールすることでアマゾン・プライムやネットフリックスなどのサブスクリプション(定期購読)顧客をつなぎとめる点にあります。
およそ企業にとって、毎月、毎年、きっちりと定期購読料を払ってくれる客ほど美味しい客はありません。
ストリーミング・サービスでは、映画よりも連続ドラマのようなコンテンツの方が、熱心に観られます。このため、作っても、作っても、コンテンツが足りないということが起きているのです。
連続ドラマでは、しっかりした脚本を、ずっと書き続けられるスタミナのある脚本家がカギになります。そういう脚本家は、余り多く居ません。
このためデキる脚本家の年収は、数年前の八百万円が、一気に一億円超に跳ね上がっているそうです。
言い換えれば、アマゾン、ネットフリックス、TV会社などを巻き込んだ、コンテンツ戦争が起きているのです。
しかし……ちょっと待って!
これが音楽の世界なら、レコード業界がネットの登場で壊滅的な打撃を受けたことは、皆の知るところです。なぜ映画やテレビは、レコード産業とおなじ末路を辿らなかったのでしょう?
これはひとつにはケーブルTVやTV局の売上好調に起因していると思います。エンターテイメント企業は、いずれも空前の利益を上げています。ケーブルの「コード・カッティング」が言われて久しいけれど、それより一般的に見られる現象は「ケーブルもサブスクライブしているけど、ネットフリックスにも良いコンテンツがあるので、それも加えてサブスクライブする……」という足し算の世界です。
同社のコメントで注目されたのは「映画会社からコンテンツを買ってくるより、自分でTVドラマや映画を内製した方が、コストが割安につく」という部分です。
ネットフリックスだけでなく、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)も最近、TVドラマや映画の内製をはじめています。ウッディー・アレンを起用したのは、その一環です。
この企業戦略のポイントは、フレッシュなコンテンツを「これが観れるのは、ここだけですよ」とアピールすることでアマゾン・プライムやネットフリックスなどのサブスクリプション(定期購読)顧客をつなぎとめる点にあります。
およそ企業にとって、毎月、毎年、きっちりと定期購読料を払ってくれる客ほど美味しい客はありません。
ストリーミング・サービスでは、映画よりも連続ドラマのようなコンテンツの方が、熱心に観られます。このため、作っても、作っても、コンテンツが足りないということが起きているのです。
連続ドラマでは、しっかりした脚本を、ずっと書き続けられるスタミナのある脚本家がカギになります。そういう脚本家は、余り多く居ません。
このためデキる脚本家の年収は、数年前の八百万円が、一気に一億円超に跳ね上がっているそうです。
言い換えれば、アマゾン、ネットフリックス、TV会社などを巻き込んだ、コンテンツ戦争が起きているのです。
しかし……ちょっと待って!
これが音楽の世界なら、レコード業界がネットの登場で壊滅的な打撃を受けたことは、皆の知るところです。なぜ映画やテレビは、レコード産業とおなじ末路を辿らなかったのでしょう?
これはひとつにはケーブルTVやTV局の売上好調に起因していると思います。エンターテイメント企業は、いずれも空前の利益を上げています。ケーブルの「コード・カッティング」が言われて久しいけれど、それより一般的に見られる現象は「ケーブルもサブスクライブしているけど、ネットフリックスにも良いコンテンツがあるので、それも加えてサブスクライブする……」という足し算の世界です。
これがネットフリックスのリード・ヘイスティングスなどが主張する「ゼロサム・ゲームではない」という構図です。
しかも大型液晶テレビの普及などで、消費者はストリーミング・サービスを楽しむ場合でもHDで撮られたコンテンツを好む傾向があるそうです。それは昔の名画のライブラリを揃えるという、これまでのレンタルビデオやネットフリックスのコンテンツ戦略では駄目で、未だ誰も観ていない、フレッシュで話題性のある、ハイクウォリティー・コンテンツをどんどん出してゆくプレッシャーが生じていることを示唆しています。
そのようなHDコンテンツは海賊版としてローカルに貯めておくコストが大きいです。つまりストリーミングで楽しむのが一番理に叶っているわけです。
先日、ユーチューバーが「広告単価が急落している!」と絶叫する動画がSNSでシェアされていました。YouTubeという媒体は、ブロードバンドが未だ揺籃期のときに発展しました。その関係でコテージ産業的な色彩が強いです。3分程度の、短いコンテンツが多いのはそのためです。
今後、TVなどのアド・ダラーがユーチューブに移って行くと言う市場関係者が多いけど、僕はかならずしもそうではないと思っています。なぜなら、1分からせいぜい3分の動画を楽しむのに、30秒のコマーシャルを見せられるのでは、たまらないからです。
周波数帯域は、かつて希少な存在でしたが、もはや制約条件では無くなってきています。むしろ貴重なのは、消費者の時間です。すると消費者は自分の限られた時間の使い方として、ハイクウォリティーなコンテンツに対してお金を払うという行動が自然だと思うのです。
実際、ビジネスとして成功しているのは、コテージ産業的なユーチューバーではなく、ハイクウォリティーなコンテンツを作っているところです。
エンターテイメント会社の株価はどこも新高値付近を舞っているし、彼らはコンテンツの配給先として従来の映画館だけでなくストリーミングという新しい顧客が登場したわけです。しかも昨日のネットフリックスの世界制覇宣言に見られるように、アメリカで起きたストリーミング革命は、今後数年のうちに世界的な現象になるわけです。
すると映画会社が稼いだカネをコンテンツに再投資するのは、極めて自然な成り行きです。
このようなハイクオリティー・コンテンツへの需要の爆発を鑑み、キャリアパスとしていままでは最も「喰えない」とされてきた、演劇科への進学とかもアリかな? と僕は思い始めています。
実際、シリコンバレーでひと旗あげることを考えるより、確率的にはエンターテイメント産業で成功を目指す方が、今後は勝率は高くなる気がします。なぜなら、今後必要になるのはネット界隈のインフラストラクチャではなく、それに載せるコンテンツだからです。
それじゃ、一体、何処へ進学すればいいの? ということですが、先ず断っておくと普通の大学と違い脚本家や俳優の場合、有名校へ行けば就職できるというような甘いものじゃありません。
でもちゃんとした学校で技を磨いた学生は、ブロードウェイやハリウッドとのコネも出来るし、オーディションの際、書類ではじかれるリスクも少し軽減できます。
著名な学校のリストとしては、専門家でない僕の意見などよりハリウッドレポーターの意見の方が参考になると思うけど、強いてブランド・ネームを挙げると、こんな感じです:
カーネギー・メロン大学演劇科
1914年創設で歴史があります。特にブロードウェイのミュージカルなどに多くの卒業生を送り出しているそうです。卒業生には女優のホリー・ハンターなどが居ます。
イェール大学演劇科
大学院のみです。ポール・ニューマン、メリル・ストリープ、シゴニー・ウィーバー、ウエンディー・ワッサーマンなど錚々たる卒業生のリストです。
ラムダ(London Academy of Music and Dramatic Arts)
1861年創設の英国最古の演劇学校です。ベネディクト・カンバーバッチ、ルース・ウィルソンなどが卒業生です。
ラダ(王立演劇アカデミー The Royal Academy of Dramatic Arts)
ラムダと双璧を成す英国屈指の演劇学校です。卒業生にはケネス・ブラナー、ヴィヴィアン・リー、ラルフ・フィネス、ジェマ・アータートン、マギー・ジレンホールなどが居ます。
ニューヨーク大学ティッシュ・スクール
演劇学校としては比較的大規模です。卒業生が多いので、「ティッシュ・マフィア」と呼ばれる、強力なコネのネットワークを形成しています。卒業生としてはフィリップ・シーモア・ホフマンなどが有名です。
しかも大型液晶テレビの普及などで、消費者はストリーミング・サービスを楽しむ場合でもHDで撮られたコンテンツを好む傾向があるそうです。それは昔の名画のライブラリを揃えるという、これまでのレンタルビデオやネットフリックスのコンテンツ戦略では駄目で、未だ誰も観ていない、フレッシュで話題性のある、ハイクウォリティー・コンテンツをどんどん出してゆくプレッシャーが生じていることを示唆しています。
そのようなHDコンテンツは海賊版としてローカルに貯めておくコストが大きいです。つまりストリーミングで楽しむのが一番理に叶っているわけです。
先日、ユーチューバーが「広告単価が急落している!」と絶叫する動画がSNSでシェアされていました。YouTubeという媒体は、ブロードバンドが未だ揺籃期のときに発展しました。その関係でコテージ産業的な色彩が強いです。3分程度の、短いコンテンツが多いのはそのためです。
今後、TVなどのアド・ダラーがユーチューブに移って行くと言う市場関係者が多いけど、僕はかならずしもそうではないと思っています。なぜなら、1分からせいぜい3分の動画を楽しむのに、30秒のコマーシャルを見せられるのでは、たまらないからです。
周波数帯域は、かつて希少な存在でしたが、もはや制約条件では無くなってきています。むしろ貴重なのは、消費者の時間です。すると消費者は自分の限られた時間の使い方として、ハイクウォリティーなコンテンツに対してお金を払うという行動が自然だと思うのです。
実際、ビジネスとして成功しているのは、コテージ産業的なユーチューバーではなく、ハイクウォリティーなコンテンツを作っているところです。
エンターテイメント会社の株価はどこも新高値付近を舞っているし、彼らはコンテンツの配給先として従来の映画館だけでなくストリーミングという新しい顧客が登場したわけです。しかも昨日のネットフリックスの世界制覇宣言に見られるように、アメリカで起きたストリーミング革命は、今後数年のうちに世界的な現象になるわけです。
すると映画会社が稼いだカネをコンテンツに再投資するのは、極めて自然な成り行きです。
このようなハイクオリティー・コンテンツへの需要の爆発を鑑み、キャリアパスとしていままでは最も「喰えない」とされてきた、演劇科への進学とかもアリかな? と僕は思い始めています。
実際、シリコンバレーでひと旗あげることを考えるより、確率的にはエンターテイメント産業で成功を目指す方が、今後は勝率は高くなる気がします。なぜなら、今後必要になるのはネット界隈のインフラストラクチャではなく、それに載せるコンテンツだからです。
それじゃ、一体、何処へ進学すればいいの? ということですが、先ず断っておくと普通の大学と違い脚本家や俳優の場合、有名校へ行けば就職できるというような甘いものじゃありません。
でもちゃんとした学校で技を磨いた学生は、ブロードウェイやハリウッドとのコネも出来るし、オーディションの際、書類ではじかれるリスクも少し軽減できます。
著名な学校のリストとしては、専門家でない僕の意見などよりハリウッドレポーターの意見の方が参考になると思うけど、強いてブランド・ネームを挙げると、こんな感じです:
カーネギー・メロン大学演劇科
1914年創設で歴史があります。特にブロードウェイのミュージカルなどに多くの卒業生を送り出しているそうです。卒業生には女優のホリー・ハンターなどが居ます。
イェール大学演劇科
大学院のみです。ポール・ニューマン、メリル・ストリープ、シゴニー・ウィーバー、ウエンディー・ワッサーマンなど錚々たる卒業生のリストです。
ラムダ(London Academy of Music and Dramatic Arts)
1861年創設の英国最古の演劇学校です。ベネディクト・カンバーバッチ、ルース・ウィルソンなどが卒業生です。
ラダ(王立演劇アカデミー The Royal Academy of Dramatic Arts)
ラムダと双璧を成す英国屈指の演劇学校です。卒業生にはケネス・ブラナー、ヴィヴィアン・リー、ラルフ・フィネス、ジェマ・アータートン、マギー・ジレンホールなどが居ます。
ニューヨーク大学ティッシュ・スクール
演劇学校としては比較的大規模です。卒業生が多いので、「ティッシュ・マフィア」と呼ばれる、強力なコネのネットワークを形成しています。卒業生としてはフィリップ・シーモア・ホフマンなどが有名です。