先週、インヴァスト証券のWebセミナーで、シカゴの先物トレーダーたちが織り込んでいるフェデラルファンズ・レート引き上げのタイミングを、どう計算するか? という方法について説明しました。その動画は、インヴァスト証券に口座を持っているお客様限定で、ウェブにUPされています

でもFX以外の投資対象を中心にトレードしている読者の皆さんにも興味深い話題だと思うので、ここにさわりの部分を紹介しておきます。

まずフェデラルファンズ・フューチャース(先物)の価格は、こんな風になっています。

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最新の価格はCME Group(=昔のシカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジが名称変更しています)の30 Days Federal Funds Rates Quotesのページで見ることができます。これはブックマークしておいてください。

すると「99」とか「98」とかの数字が並んでいて、何のことかわからないわけです。

そこで下の数式を見てください。

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100-FFレート先物価格で得られる差が、織り込まれたフェデラルファンズ・レートということになります。

いま仮に先ほどの一覧表で2015年10月限月のフェドファンズ・フューチャースの価格を拾うと、99.68になります。それを先ほどの式に代入すると100-99.68で、解は0.32になります。つまりフェデラルファンズ・レートで0.32%ということになるのです。

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いまFRBの定めたフェデラルファンズ・レートは0から0.25%ですから、0.32%というのは0.07%高くなることを織り込んでいるわけです。

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いまフェデラルファンズ・レートは0.25%刻みで引き上げられると考えられますから0.07%では少なすぎるわけです。確率的には、半々より少ないことが直感的に感じられます。でももう少し厳密に利上げされる確率を推し量るやり方はないでしょうか? それを示したのが次の数式です。

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分子に先ほどの解-現在のFFレートの差を持ってきます。それを引き上げ後のレート-現在のFFレートの差で割り算してやると、プロバビリティー、つまり確率が求められます。


この数式に先ほどの例を代入して計算すると、答えは28%になります。

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なお先物の限月の最終取引日とFOMCミーティングの日付は必ずしも一致しません。だからここで計算された確率は、あくまでもおおよその目安でしかありません。

(なおもっと詳しい議論を知りたい人は、Terrill R. Keasler and Delbert C. Goffによる、この論文を参照してください)

今年はあと7回FOMCがあるし、FFレートのシナリオは単に0.50%だけでなく0.75%や1.00%もあるので、それらの組み合わせを全部計算するのは骨が折れます。

そこで既にそれが計算してある無料サイトがあります。それはCME FedWatchというサイトです。

わかりにくいのですが、このサイトを良く見ると、グラフの下あたりに水色のドロップダウン・バーがあり、そのひとつをクリックすると、それぞれの連邦公開市場委員会(FOMC)開催日でのFFレートのシナリオがグラフ化されるようになっています。

ところで先週金曜日の雇用統計が強かった関係で、市場参加者の考える利上げタイミングは、これまでの「早くても10月以降」というシナリオから「7月のFOMCから9月のFOMCの間」へと大きく繰り上がりました。

そのへんのことを最新のトライオートのホームページの「為替相場予報」コラムに書いておきましたので、是非ご一読ください。

「強い雇用統計を受けて早まるFRB利上げタイミングに関する期待」