去年の暮れにアッヴィ(ティッカーシンボル:ABBV)がC型肝炎治療薬、ヴィキラパックを発表し、エクスプレス・スクリプトと独占契約を結んだ際;

1)C型肝炎治療薬の値引き競争が激化するのではないか? 
2)ギリアド・サイエンシズ(ティッカーシンボル:GILD)のハーボニのマーケットシェアが侵食されるのではないか? 

という二つの懸念が生じ、ギリアド株が急落しました。

僕はその際、「ギリアドの戦略は利幅の死守ではなく、単価×処方箋数で得られる売上高の極大化であり、値崩れは心配しなくてよい」と主張しました。

さて、あれから三カ月が過ぎて、決算の内容が明らかになったので、ヴィキラパックとハーボニの戦績を公平な目で比較する最初のチャンスが到来しました。下が、その結果です。

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ヴィキラパックの市場占有率は僅か4%に過ぎず(ひょっとしたら25%くらいのマーケットシェアを奪われる)と主張していたアナリスト達は、ぜんぜん間違っていたことが証明されました。

しかもギリアドは、このハーボニの圧勝を利幅を犠牲にして獲得したのではありません。先日のカンファレンスコールの中で、ギリアドは2015年のノンGAAP製品グロスマージン・ガイダンスを87~90%と発表しました。

第1四半期のハーボニの売上高は予想29億ドルに対し35.6億ドルでした。つまり予想を大幅に上回っているのみならず、ハーボニの適切な価格設定がC型肝炎治療薬市場の規模そのものを広げる効果があったのです。

ギリアドは2015年の売上高ガイダンスをこれまでより20億ドル(!)引上げ、270~280億ドルと設定しました。これは2015年のEPSに換算して、軽く$1.00上乗せされるべき数字です。決算発表前のコンセンサスは$9.68でしたが、これが例えば$10.50付近に上昇すると考えるのが自然でしょう。すると株価収益率(PER)はカッキリ10倍

「持ってけ、ドロボウ!」的な株価ですね。