アメリカの個人投資家に親しまれている節税のストラテジーに、タックス・ロス・セリングというのがあります。
アメリカでは、個人が株式投資を行い、損が出た場合、その年の収入やキャピタルゲインから損の分を引き算することが出来ます。
すると課税対象となる収入やキャピタルゲインが、その分、小さくなるわけだから、節税になるわけです。
タックス・ロス・セリングを好んで活用する個人は、高所得で、資産を沢山持っている人に多いです。
またシリコンバレーの企業に勤めていて、報酬の一部にストックオプションをもらうなど、日頃から株式へのリテラシーが高い、ないしは株式投資の仕組みを否が応でも勉強せざるをえない立場に置かれた個人が多いです。
タックス・ロス・セリングは、それが多発する年もあれば、静かな年もあります。
一例として、年初から年末まで、ダラダラ下げが続き、ドラマに欠ける展開だった年は、タックス・ロス・セリングが顕著ではありません。これはどうしてかといえば、そもそも節税すべき実現益が1年を通して余り出ていないからです。
しかし今年のように年初にホットなIPOが続き、それの多くが利食いになった後で、IPO市場が暗転し、下げ相場が続いている……というような展開では、タックス・ロス・セリングが出やすいです。
なぜなら年前半に回転トレーディングで実現益がたんまり出てしまい、このまま行くと来年の4月に払わないといけない税金が多くなりそうだからです。
その一方で7月以降に買ったアグレッシブ・グロース株のポジションを見ると「げげっ! 酷い事になっている!」
その場合、すでに利益を確定したトレードと、まだアホールドしているヤラレのポジションを通算すると、せいぜい「くたびれ儲け」程度なのに、税金だけはたんまり持って行かれるというクソ面白くも無い展開になるわけです。
こういうとき、多くの個人投資家は(それなら、せめて節税のために、ヤラレているポジションを早くぶった切ろう!)という結論に達します。
大体、11月から12月にかけては、そういう売りが加速します。
別の言い方をすれば去年から今年にかけてIPOされて、いま右肩下がりでダラダラ安になっている小型株は、これからタックス・ロス・セリングを浴びて、株価が「つんのめり」的に急落するリスクが高いのです。
実際、そういうドブに落ちかかった人の背中をわざと押すような、年末の空売りで儲けるヘッジファンドも沢山あります。
上場企業としての社歴が10年以上あるような銘柄は、タックス・ロス・セリングのターゲットになりにくいです。なぜならそれらの企業は長期保有の機関投資家が安定株主となっている場合が多く、個人の散発的なタックス・ロス・セリングを受け止めることができる、引かれ腰の強い投資家が控えているからです。
これとは対照的にチャラチャラした流行り廃りの投資ストーリーに乗せられて、個人投資家が沢山乗っているファッショナブルな、もしくはかつてファッショナブルだった銘柄はキケンです。
具体的な銘柄のイメージで言えばヴァレアント(VRX)、ゴープロ(GPRO)、アンバレラ(AMBA)、サイバーアーク(CYBR)、モービルアイ(MBLY)、シェイクシャック(SHAK)、ボックス(BOX)、3Dシステムズ(DDD)、ストラタシス(SSYS)、ファイヤーアイ(FEYE=下のチャート参照)などはタックス・ロス・セリングの集中砲火を浴びやすいでしょう。

なおタックス・ロス・セリングで節税を実現するためには、今年中に実現損を出す必要があります。殆どの投資家はクリスマスまでをメドに処分を済ませます。
アメリカでは、個人が株式投資を行い、損が出た場合、その年の収入やキャピタルゲインから損の分を引き算することが出来ます。
すると課税対象となる収入やキャピタルゲインが、その分、小さくなるわけだから、節税になるわけです。
タックス・ロス・セリングを好んで活用する個人は、高所得で、資産を沢山持っている人に多いです。
またシリコンバレーの企業に勤めていて、報酬の一部にストックオプションをもらうなど、日頃から株式へのリテラシーが高い、ないしは株式投資の仕組みを否が応でも勉強せざるをえない立場に置かれた個人が多いです。
タックス・ロス・セリングは、それが多発する年もあれば、静かな年もあります。
一例として、年初から年末まで、ダラダラ下げが続き、ドラマに欠ける展開だった年は、タックス・ロス・セリングが顕著ではありません。これはどうしてかといえば、そもそも節税すべき実現益が1年を通して余り出ていないからです。
しかし今年のように年初にホットなIPOが続き、それの多くが利食いになった後で、IPO市場が暗転し、下げ相場が続いている……というような展開では、タックス・ロス・セリングが出やすいです。
なぜなら年前半に回転トレーディングで実現益がたんまり出てしまい、このまま行くと来年の4月に払わないといけない税金が多くなりそうだからです。
その一方で7月以降に買ったアグレッシブ・グロース株のポジションを見ると「げげっ! 酷い事になっている!」
その場合、すでに利益を確定したトレードと、まだアホールドしているヤラレのポジションを通算すると、せいぜい「くたびれ儲け」程度なのに、税金だけはたんまり持って行かれるというクソ面白くも無い展開になるわけです。
こういうとき、多くの個人投資家は(それなら、せめて節税のために、ヤラレているポジションを早くぶった切ろう!)という結論に達します。
大体、11月から12月にかけては、そういう売りが加速します。
別の言い方をすれば去年から今年にかけてIPOされて、いま右肩下がりでダラダラ安になっている小型株は、これからタックス・ロス・セリングを浴びて、株価が「つんのめり」的に急落するリスクが高いのです。
実際、そういうドブに落ちかかった人の背中をわざと押すような、年末の空売りで儲けるヘッジファンドも沢山あります。
上場企業としての社歴が10年以上あるような銘柄は、タックス・ロス・セリングのターゲットになりにくいです。なぜならそれらの企業は長期保有の機関投資家が安定株主となっている場合が多く、個人の散発的なタックス・ロス・セリングを受け止めることができる、引かれ腰の強い投資家が控えているからです。
これとは対照的にチャラチャラした流行り廃りの投資ストーリーに乗せられて、個人投資家が沢山乗っているファッショナブルな、もしくはかつてファッショナブルだった銘柄はキケンです。
具体的な銘柄のイメージで言えばヴァレアント(VRX)、ゴープロ(GPRO)、アンバレラ(AMBA)、サイバーアーク(CYBR)、モービルアイ(MBLY)、シェイクシャック(SHAK)、ボックス(BOX)、3Dシステムズ(DDD)、ストラタシス(SSYS)、ファイヤーアイ(FEYE=下のチャート参照)などはタックス・ロス・セリングの集中砲火を浴びやすいでしょう。

なおタックス・ロス・セリングで節税を実現するためには、今年中に実現損を出す必要があります。殆どの投資家はクリスマスまでをメドに処分を済ませます。