シンクロニー・フィナンシャル(ティッカーシンボル:SYF)は、元GEキャピタルの消費者向けクレジットカード部門でした。

1930年代にアメリカを大恐慌が襲った時、ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)の作っていた洗濯機も全く売れなくなってしまいました。

そこでGEは「分割払いで毎月少額の返済をすることで洗濯機を買えるようにしよう!」と考えます。こうして創設されたのが消費者金融部門というわけです。

それがのちにクレジットカード会社へと発展したのです。

ウォルマート、GAP、JCペニー、アマゾン・ドットコム、TJX、トイザらス、ローズなどの小売業者のクレジットカードは、実はシンクロニー・フィナンシャルがホワイトラベル提供しているものです。

また同社はアップル・ペイ、サムスンなどとモバイル・ペイメントで提携しています。現在のローン残高は614億ドル。売上高は27億ドルです。(いずれも2015年第2四半期)

今回、ゼネラル・エレクトリックが「GEキャピタルを分離する!」と決断をしたため、シンクロニー・フィナンシャルもGEの傘下を離れることになりました。

GEはシンクロニー・フィナンシャルの85%株主です。

でもシンクロニー・フィナンシャルを分離すると決めたので、この持ち株を処分しなくてはいけません。

そこでGEの株主に「みなさんの中でGE株よりむしろシンクロニー・フィナンシャル株の方が良いと思っている人は居ませんか? もしそうなら期間限定でGE株をSYF株に交換に応じます。なお、この交換は無税扱いです」と自主的に交換に応じる人を募っているわけです。

この勧誘のことをエクスチェンジ・オファーといいます。もちろん株主としては応募してもいいし、応募しない自由もあります。

そのエクスチェンジ・オファーの締切が、いよいよ迫っています。

どのくらいエクスチェンジ・オファーに応じる人が出てくるか?によって、交換比率は変動しますし、SYFの株価も乱高下します。

今日、SYF株が-4%以上下げたのはそのためです。なおエクスチェンジ・オファーの際、株価が一時的に技術的理由から急落するのは珍しいことではありません。条件が確定すれば、再び株価が上昇すると考えるのが自然です。

一応、仮条件として最大の交換比率はGE1株=SYF1.1308株と設定されています。でも実際の交換比率は11月10日~12日の3日間のSYFのVWAP(出来高加重平均株価)を元に計算される取決めとなっています。

交換比率の発表は11月13日朝9時です。

独立企業になった後のシンクロニーは、どんな株になるのでしょうか? 

まず監督当局の視点からすれば、シンクロニーはS&L(貯蓄貸付組合)に分類され、その規制を受けることになります。(これは主に自社株買戻しや配当政策に関し、当局の許可を仰がねばいけないと言う意味です。あまり深刻に考える必要はないと思います。)

銘柄で言えばアメリカン・エキスプレス(ティッカーシンボル:AXP)などと同じグループに括られるべきでしょう。いまアメリカン・エキスプレス株は来年のコンセンサスEPSに基づいて13.5倍の株価収益率(PER)で取引されており、シンクロニー・フィナンシャルは11倍で取引されています。だから少し割安というわけです。

SYF