今週、サンフランシスコのセントフランシス・ホテルでJPモルガン・ヘルスケア・カンファレンスが開催されています。このカンファレンスはヘルスケアに関する投資カンファレンスでは世界最大です。
例年ならバイオテクノロジー企業がこのカンファレンスに合わせて重要な発表を行うわけですが、今年は新薬の開発云々の話そっちのけで、薬価の高騰の問題ばかりが議論されています。
カンファレンスの前半は、製薬会社やバイオ企業の経営者が薬価の高騰を正当化するコメントを繰り返していたのですが、健康保険会社アンセム(ティッカーシンボル:ANTM)が薬剤給付管理会社(PBM)、エクスプレス・スクリプト(ティッカーシンボル:ESRX)に対して「クスリのコストを約束通り下げることができないのなら、アンタは首にして他社に鞍替えする」と発言し、大騒ぎになりました。
エクスプレス・スクリプトにとってアンセムは最大顧客であり、売上高の14%を占めています。もしエクスプレス・スクリプトがアンセムという顧客を失えば、PBMでNo.1という地位も失うことを意味します。
PBMは大量買い付けをすることで、ボリューム・ディスカウントをメーカーから引き出してきます。その意味ではアンセムのような保険会社にとって顧客であると同時に重要なビジネス・パートナーでもあるわけです。ただ、アンセムからすれば「大量の顧客を紹介してやっているのに、それで得られるディスカウントを、ちゃんとウチに還元してくれない」という疑惑を持っているわけです。
今年は大統領選挙の年で、薬価高騰の問題が選挙の争点のひとつになる可能性が高いです。今回のアンセムとエクスプレス・スクリプトの間の喧嘩は、ヘルスケア・コストを抑えなければいけないというプレッシャーが、単に製薬会社やバイオ企業の問題から、ヘルスケア・サービス・セクターにまで波及しつつあることのあらわれと言えるでしょう。
結局のところ薬価はヘルスケア・コストの15~20%に過ぎません。他のヘルスケア・コストも問題にしないと、問題の解決にはならないのです。
病院、その他のケア・プロバイダーが「藪蛇にならないか」とハラハラしているのはそのためです。
例年ならバイオテクノロジー企業がこのカンファレンスに合わせて重要な発表を行うわけですが、今年は新薬の開発云々の話そっちのけで、薬価の高騰の問題ばかりが議論されています。
カンファレンスの前半は、製薬会社やバイオ企業の経営者が薬価の高騰を正当化するコメントを繰り返していたのですが、健康保険会社アンセム(ティッカーシンボル:ANTM)が薬剤給付管理会社(PBM)、エクスプレス・スクリプト(ティッカーシンボル:ESRX)に対して「クスリのコストを約束通り下げることができないのなら、アンタは首にして他社に鞍替えする」と発言し、大騒ぎになりました。
エクスプレス・スクリプトにとってアンセムは最大顧客であり、売上高の14%を占めています。もしエクスプレス・スクリプトがアンセムという顧客を失えば、PBMでNo.1という地位も失うことを意味します。
PBMは大量買い付けをすることで、ボリューム・ディスカウントをメーカーから引き出してきます。その意味ではアンセムのような保険会社にとって顧客であると同時に重要なビジネス・パートナーでもあるわけです。ただ、アンセムからすれば「大量の顧客を紹介してやっているのに、それで得られるディスカウントを、ちゃんとウチに還元してくれない」という疑惑を持っているわけです。
今年は大統領選挙の年で、薬価高騰の問題が選挙の争点のひとつになる可能性が高いです。今回のアンセムとエクスプレス・スクリプトの間の喧嘩は、ヘルスケア・コストを抑えなければいけないというプレッシャーが、単に製薬会社やバイオ企業の問題から、ヘルスケア・サービス・セクターにまで波及しつつあることのあらわれと言えるでしょう。
結局のところ薬価はヘルスケア・コストの15~20%に過ぎません。他のヘルスケア・コストも問題にしないと、問題の解決にはならないのです。
病院、その他のケア・プロバイダーが「藪蛇にならないか」とハラハラしているのはそのためです。