アメリカの主要株価指数のひとつ、ダウ工業株価平均指数が17,481.49で引けました。これは年初来で+0.3%です。S&P500指数は年初来-0.2%、ナスダック総合指数は年初来-4.6%に甘んじています。

世界の主要株価指数の年初来パフォーマンスは、下のグラフのようになっています。

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先日の連邦公開市場委員会(FOMC)のトーンは意外にハト派的でした。このため為替はドル安に振れています。

ドルが安いときは原油、ゴールドなどのコモディティは強含むことが知られています。したがって素材、エネルギー、工業、市況株のあたりは、ちょっとした「お祭り」になっています。

ドル安局面では新興国経済が息を吹き返します。またアメリカの個人投資家はドル安局面ではポートフォリオの海外比率を高めることが経験的に知られています。アメリカ人にとっていちばん馴染みがある海外の新興国市場はメキシコ株です。またブラジル株もポピュラーです。

さて、銘柄ですが、オールド・エコノミー株、すなわちゼネラル・エレクトリック(GE)、ダウ・ケミカル(DOW)、デュポン(DD)、エクソン・モービル(XOM)、マクドナルド(MCD)などをコア銘柄に据える戦略は、そのままで良いと思います。

またハーモニー・ゴールド・マインズ(HMY)、バリック・ゴールド(ABX)などの金鉱株も、いまが旬です。

これらの銘柄に加えて、素材、エネルギー、工業、市況株の物色を少し拡大するのもオッケーだと考えています。

アルセロール・ミッタル(MT)は欧州最大の鉄鋼株です。欧州だけでなく北米や南米などにもグローバルで展開しています。とりわけ自動車向けの鋼板に強いです。ここ数日株価が下げているのはライツイシューを発表した関係です。権利落ち分を補正すれば、年初来高値です。

トランスオーシャン(RIG)はオフショアの石油リグの請負業者です。営業キャッシュフローを生み出す力が強いです。現在、オフショア・リグのマーケットは、たいへん落ち込んでいます。同社は厳しい環境の中で、マーケットシェアを伸ばしています。バランスシートは強固なので、倒産の心配はありません。

アルコア(AA)は2つの会社に分社化を進めている最中です。経営陣は、そうした方が含みが顕在化できるという風に考えているようです。アルミニュームは航空機や自動車やアルミサッシに使用されます。それらの市場は、ボチボチ堅調です。

ヘルメリッチ&ペイン(HP)はシェール開発の際の巨大なリグを貸し出している石油サービス会社です。同社の「フレックス」シリーズは、シェール業者の中では定番商品になりつつあります。営業キャッシュフローを生む力が強く、バランスシートは強固です。

フリーポート・マクモラン(FCX)は銅とゴールドの会社で、近年、メキシコ湾のオフショア石油開発にも乗り出しています。バランスシート上の負債が多く、リスクは大きいです。それを断った上で、同社の銅山は業界関係者垂涎の的であり、買収のターゲットになりやすいと思います。