サウジアラビアが「ビジョン2030」と銘打った経済大改革のプランを公表しました。このプランの立案者はムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(31歳)です。

この経済大改革は、サウジアラビアの、資産売却、税制改革、財政支出削減、太陽光発電、外貨準備管理の刷新などを含んでいます。

この計画を実施するにあたり、サウジアラビアは、国営石油会社(NOC)、サウジ・アラムコの5%を早ければ来年、新規株式公開(IPO)するとしています。サウジ・アラムコの時価総額は222~277兆円(=アップルの約4倍)にも達すると言われています。

僕の考えではこの時価総額の査定は甘すぎ、サウジ・アラムコの妥当時価総額はもっと小さいと思います。

しかし百歩譲っても、このIPOが過去最大の規模になることは間違いありません。

また国営石油会社を上場することは、サウジアラビアが、地下に眠っている石油の富をマネタイズする際の柔軟性を飛躍的に高めることを意味し、単純な言い方をすれば「原油価格が低迷しているにもかかわらず、日銭を稼ぐ必要からガムシャラに増産する必要がなくなる」ことを意味します。

つまり今回の経済大改革プランは良く練られているのです。

サウジアラビアの株式市場は、実はメキシコなどより大きいです。しかしこれまで外国人投資家が投資できなかったため、海外の投資家には殆ど知られていない存在でした。

去年9月に、ようやく法律が変わり、大手機関投資家に限ってQFIプログラムを通じてサウジアラビア株への外人による投資が解禁されました。

QFIプログラムとは、ごく単純化して言えば「投資枠」のようなものです。大手機関投資家が「投資枠」の割当をもらい、その傘の下で一般の投資家が投資する仕組みです。

このように複雑なシステムになっていることに加えて、2014年後半から原油価格がダダ下がりだったこともあり、外人投資解禁直後にローンチされたサウジアラビアETFは、まったく閑古鳥が鳴く状態です。

IシェアーズMSCIサウジアラビア・キャップトETF(ティッカーシンボル:KSA)はNYSEアーカ市場に上場されていますが、まったく商いが成立しない日も多いです。

流動性に乏しいことはETFにとって致命的な欠陥です。その意味ではサウジアラビアETFは、とてもじゃないけど一般の投資家に薦めることが出来るような代物ではありません。

しかし……

このETFは、今後、出来高が増えるかどうか、じっくり観察する価値のある投資対象だと思います。

同ETFの組み込み銘柄数は52銘柄、PERは12倍です。

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