アメリカには投資レターのたぐいが沢山あります。僕も色々な投資レターをサブスクライブしました。その中で自分のスタイルに特に影響を与えたのは:
の三つです。
このうちマイケル・マーフィーは1980年代から『カリフォルニア・テクノロジー・ストック・レター(略してCTSL)』をしたためており、シリコンバレーの成長と二人三脚で育ってきた投資レターと言えます。
その特徴は、新しい技術やビジネスモデルを、専門家でなくても理解できるよう、噛み砕いて説明する点にありました。
しばしば(マイケル・マーフィーはストック・ピッキングが下手だ)と陰口を叩かれていました。
でも、そういう悪口を言う人ほど、実はCTSLを読むことでこっそりとハイテクのことを勉強していたりして、読者との間で、微笑ましい愛憎関係が形成されていたのを懐かしく思い出します。
彼とはよくH&Qのテクノロジー・カンファレンスやAeAクラッシックでマイケルと鉢合わせしたものです。
そのCTSLはドットコム・バブルが弾けた後、幻滅したマイケルが畳んでしまいました。
つぎにジェームズ・グラントは時折学者みたいなボストン眼鏡の風貌でCNBCなどに出演している御爺さんですが、いつも弱気なことばかり言っています。
そんなわけで相場観は全く参考になりません。
でも『バロンズ』のUP & DOWN WALL STREETのコラムを一時担当していただけあって、考え方には一本、筋が通っているし、むしろ彼のユニークで美しい文体を味わいながら読む、、、そんなスタイリッシュな文芸作品として、僕は『グランツ・インタレスト・レート・オブザーバー』を愛読していました。まあ雑誌に例えれば『ニューヨーカー』みたいなノリです。
最後にマーク・ファーバーは、かなり変わったオッチャンです。
でもたいへん独創的な考え方をする人で、特に歴史的な文脈から相場を考えさせたら、この人の右に出る人は居ません。マーク・ファーバーには『相場の波で儲ける法』足立真一監訳/山岡陽一訳 東洋経済新報社(1989年)という本があるのですが、これはたいへんな名著で、僕も50回くらい読み直しました。
そのマークは、現在も『ザ・グルーム、ブーム&ドゥーム・レポート』を元気に書いています。
グルーム(Gloom)とは「鬱々とすること」、ブーム(Boom)は「好景気」、ドゥーム(Doom)は「破滅」という意味です。つまり経済や株式市場のサイクルを、コミカルに韻を踏んだタイトルにしているわけです。
世の中に、現在の経済や相場の状況を、場況解説的に伝える投資レターは掃いて捨てるほどありますけど、深く考えさせられる、示唆に富む読み物という点では、マーク・ファーバーの投資レターの右に出るものは無いと思います。
4月号の投資レターでは「所得の流れは増加しているものの、その流れは賃金労働者を犠牲にして、資産家に向いている…(中略)…ここ40~50年の間に、起業家や中間層や裕福層が、生活のために仕事をしていた経済から、こうした人々が生活のために投機をする経済へと移行した」というようなことが書かれています。
「生活のために投機」とは、まさしく僕の、こんにちの姿そのものであり、思わず苦笑しました。
ところでこのレポートは、この手のレポートとしては大変珍しいことなのですが、毎月、日本語に翻訳されてパンローリングから出ています。
『マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート』という、チョー地味な日本語タイトルです。(折角、「濃い」レポートなのに、このタイトルで、損してますねwww)

マイケル・マーフィーの『カリフォルニア・テクノロジー・ストック・レター』(廃刊)
ジェームズ・グラントの『グランツ・インタレスト・レート・オブザーバー』
マーク・ファーバーの『ザ・グルーム・ブーム&ドゥーム・レポート』
の三つです。
このうちマイケル・マーフィーは1980年代から『カリフォルニア・テクノロジー・ストック・レター(略してCTSL)』をしたためており、シリコンバレーの成長と二人三脚で育ってきた投資レターと言えます。
その特徴は、新しい技術やビジネスモデルを、専門家でなくても理解できるよう、噛み砕いて説明する点にありました。
しばしば(マイケル・マーフィーはストック・ピッキングが下手だ)と陰口を叩かれていました。
でも、そういう悪口を言う人ほど、実はCTSLを読むことでこっそりとハイテクのことを勉強していたりして、読者との間で、微笑ましい愛憎関係が形成されていたのを懐かしく思い出します。
彼とはよくH&Qのテクノロジー・カンファレンスやAeAクラッシックでマイケルと鉢合わせしたものです。
そのCTSLはドットコム・バブルが弾けた後、幻滅したマイケルが畳んでしまいました。
つぎにジェームズ・グラントは時折学者みたいなボストン眼鏡の風貌でCNBCなどに出演している御爺さんですが、いつも弱気なことばかり言っています。
そんなわけで相場観は全く参考になりません。
でも『バロンズ』のUP & DOWN WALL STREETのコラムを一時担当していただけあって、考え方には一本、筋が通っているし、むしろ彼のユニークで美しい文体を味わいながら読む、、、そんなスタイリッシュな文芸作品として、僕は『グランツ・インタレスト・レート・オブザーバー』を愛読していました。まあ雑誌に例えれば『ニューヨーカー』みたいなノリです。
最後にマーク・ファーバーは、かなり変わったオッチャンです。
でもたいへん独創的な考え方をする人で、特に歴史的な文脈から相場を考えさせたら、この人の右に出る人は居ません。マーク・ファーバーには『相場の波で儲ける法』足立真一監訳/山岡陽一訳 東洋経済新報社(1989年)という本があるのですが、これはたいへんな名著で、僕も50回くらい読み直しました。
そのマークは、現在も『ザ・グルーム、ブーム&ドゥーム・レポート』を元気に書いています。
グルーム(Gloom)とは「鬱々とすること」、ブーム(Boom)は「好景気」、ドゥーム(Doom)は「破滅」という意味です。つまり経済や株式市場のサイクルを、コミカルに韻を踏んだタイトルにしているわけです。
世の中に、現在の経済や相場の状況を、場況解説的に伝える投資レターは掃いて捨てるほどありますけど、深く考えさせられる、示唆に富む読み物という点では、マーク・ファーバーの投資レターの右に出るものは無いと思います。
4月号の投資レターでは「所得の流れは増加しているものの、その流れは賃金労働者を犠牲にして、資産家に向いている…(中略)…ここ40~50年の間に、起業家や中間層や裕福層が、生活のために仕事をしていた経済から、こうした人々が生活のために投機をする経済へと移行した」というようなことが書かれています。
「生活のために投機」とは、まさしく僕の、こんにちの姿そのものであり、思わず苦笑しました。
ところでこのレポートは、この手のレポートとしては大変珍しいことなのですが、毎月、日本語に翻訳されてパンローリングから出ています。
『マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート』という、チョー地味な日本語タイトルです。(折角、「濃い」レポートなのに、このタイトルで、損してますねwww)
