英国の不動産ファンドが相次いで顧客からの解約要求に応じないと発表し、メディアのヒステリー的な報道が相次いでいます。

ヤレヤレ……マーケットを知らない連中に記事を書かせると、とんでもない見当はずれを平気で文章にするから堪ったもんじゃないな。


いま問題になっている不動産ファンドは「オープン・エンド型」投信です。ここで「オープン」という意味は、いつでも買い増しや解約が出来るので、ファンドの資産が、マネーの流入、流出に合わせて日々変動するということです。

しかし不動産はデイトレのように秒刻みで反対売買できません。ある物件を購入、ないし処分すると決めても、実際にその取引が完了するのに一月くらいかかってしまうでしょう。

今回、英国の国民投票で離脱派が勝利したので、パニクッた投資家が「私をここから出して!」というヒステリーを起こし、不動産ファンドの解約に殺到しました。

不動産ファンドは、日頃から解約に備えて、比較的高めのキャッシュを用意しています。大体、10%くらいだと思います。

でもそれ以上の解約請求がドハッと来たら、手元のキャッシュは払底します。あとは先ず不動産を売却して、現金を作るか、銀行からのクレジットライン(=当座の現金の融通)で、投資家にお金を渡さないといけなくなります。

冷静に考えれば、皆が一度に慌てれば、そういう悲惨な結末になることは当然であり、これは満員の映画館で誰かが「火事だ!」と叫んで、慌てた観客が非常口に殺到し、圧死するような状態と同じなのです。

さて、英国の不動産は、崩落するのでしょうか?

完全に一致しているとは言わないけれど、株の世界で起こっている事と、不動産の世界で起こっている事は、大体、シンクロナイズされています。

一例として1980年代に日本でバブルが起きた時は先ず株も不動産も騰がり、バブルが弾けた後は、結局、両方下がりました。

だから株だけ騰がって不動産は騰がらないとか、株は下がったけど、不動産は鉄壁だ……とかというのは、ごく短期ではそういうこともあるかもしれないけど、中期的に見れば整合性が無いんですね。

ブリグジット以降のFTSE100指数を見ると、下がっていません。これはどうしてかというとポンド安が「安全弁」の効果を発揮したからです。もっと言えば円安になると日経平均が上昇するのと同じ理屈です。

すると、英国株が下がってないのなら、ブリグジットのニュース以降の英国の不動産価格も、そんなにドカ下げしていないと見るべきではないでしょうか?

もしポンド安でロンドンの不動産が手に届くようになれば、ロシアやインドや中国の成金がロンドンの不動産投資に再出動するというシナリオだって考えられますね。

いや、ハッキリ言って、今後ロンドンの不動産が急落したら、そのときは僕も投資物件として買いたいですね。僕だって『ジェーン・エア』でマスかけるくらいのアングロファイルですから(笑)


ポンドの急落を見た英国でこれから起こることは、ちょうどアベノミクスで円安になった以降、日本にまきおこった「爆買いブーム」みたいなコトじゃありません?

イギリスという国は、アメリカと同じで、「経済の金融化」が極端に進行している国です。「経済の金融化」というのは、つまり誰もが株を持ち、不動産を持っているということです。すると経済を回復させるには、「ゆるゆる」が一番効く(笑)

日本人は株持っていないので、アベノミクスでこれをやろうとおもうと辛いものがあるんですね、なぜなら「ゆるゆる」の恩恵が、あまねく国民全体に行き渡らないから。

アメリカやイギリスの場合、資産を持っている裕福層は「サンキュー・ベラマッチャ!」で、どうにでもブリグジットの苦境でも、それを乗り切って行ける知恵は出せる……。

ここなんです、僕が言いたい事は。www

お待たせしました。そろそろロイズ・バンキング(ティッカーシンボル:LYG)を打診買いするときが来たように思います。

イギリスは、今後、Race to the bottom…、つまり規制をゆるくすることで、世界のお金を招き入れると思います。それをやろうと思えば、ハズカシゲもなく、どれだけでも身を堕とせるところが、イギリスのすごいところです。言い換えれば、ロンドンの「シンガポール化」ないしは「パナマ化」です。

一例としてリーマンショックの前、2002年頃、CDOとか、その他、いろんなヤヴァい合成証券がポコポコ発明されたんですね(笑)

それで当時僕が勤めていた銀行の社内で「これは行政からお目玉喰らうんじゃないか?」という議論がありました。そこで誰かがファッキン・ブリリアント!なアイデアを思いついた。

「そうだ、ロンドンへ持って行って、あそこでトレードしよう!」www


だから英国とは縁もゆかりもないアメリカの「有毒証券」の市場がロンドンに立って、大活況を呈したわけです。

なせ、そうなった????

それはロンドンの行政当局が、アメリカより、ほんのすこしだけ規制をゆるくしたから。

これはサッチャー政権以降の英国のエリートの基本的な条件反射としてすっかり定着しましたら、今回も危機に際してイギリスは横着なコトをやってくると思います。

ルンルンに楽しいな!