LINEのIPOが値決めされました。仮条件は高い前人気を背景に2度に渡って引き上げられた仮条件の上限、3,300円です。アメリカでのIPO価格は32.5ドルです。すでに米国証券取引委員会(SEC)は「有効(Notice of effectiveness)」を宣言しています。つまり上場の最終承認が降りたわけです。

このディールは日米同時上場する関係で、値決めから上場初日までT+3(値決め日+3日間)の余裕が持たせてあります。取引開始は7月14日のニューヨーク市場からです

個人投資家へのアロケーション(=IPOに「当たる」こと)は、「ゼロ」が続出する可能性もあります。

その場合、上場後に場で拾うことになります。以前に説明したように、ニューヨークで参戦した方があきらかに有利なので、僕なら速やかに外国株取引口座を開設し、14日の取引開始に備えます。NYでのティッカーシンボルはLNになります。

なお米国株は少額から投資することが出来ます。その理由は米国株には単元株制度というものがないからです。単元株制度は日本のルールで、「この株の最低取引単位は100株から…」というようなルールです。

このルールが無いので、1株から発注することができます。

なおネット証券によっては「米国株の売買手数料1000株まで一律25ドル」などの最低手数料が決まっているところがあり、極端に少ない株数(たとえば1株)で発注すると、手数料がバカ高くなってしまうケースがあるので、注意する必要があります。

今回売出し株数は3,500万株で、これに525万株のグリーンシューがつきます。

グリーンシューは直訳すると「緑の靴」という意味ですが、これは昔、グリーンシュー・カンパニーがIPOした際、上場後の株価安定操作を円滑に行えるよう、株の「売り過ぎ」を認める措置を取ったことが、後に慣習化し、この呼称が定着したことによります。

グリーンシューの使い方は主幹事証券によって若干の差異がありますが、一般的なやり方は以下の通りです。

まず投資家から旺盛な需要に応え、値決めに際しては予定された売出し株数、今回のLINEのケースで言えば3,500万株より多めの4,025万株(2,500万株+525万株)の新規公開株を、まず投資家に渡してしまうわけです。言い換えれば、意図的な「売り過ぎ」です。

もし上場後、利食い売りに押されてLINE株が値決め価格である32.5ドルの水準まで下がったとします。主幹事証券はそこに「防戦買い」のBidを這わせます。

この場合、主幹事証券は自己勘定で買い向かっているわけではありません。なぜなら上で525万株を「売り過ぎた」わけですから、その実質的に「空売り」と同然になっている525万株を、同値(=32.5ドル)で買い戻しているに過ぎないのです。

こうして売り過ぎた分を全部「防戦買い」で買い戻してしまえば、結果として525万株は「はじめから売らなかったも同然」になるので、「なかったこと」にされます。これを証券用語をつかって表現すると「グリーンシューは、エクササイズ(行使)されなかった」ことになります。

逆にLINE株が上場後も人気となり、一度も値決め価格の32.5ドルまで下がらなかった場合、「防戦買い」による買戻し株数はゼロなので、「売り過ぎ」た分は、そのままIPOでLINEを買った投資家の手に残ります。この場合は「グリーンシューはエクササイズされた」という表現になるわけです。

この「エクササイズされたか、されないか?」という問題は、後々の発行済み株式数の計算に関わってくるので一株当たり利益(EPS)などを計算するときに注意を払う必要があります。