1024px-Alternative-fuer-Deutschland-Logo-2013_svg

9月4日にドイツ東部メクレンブルク・フォアポンメルン州で州議会選挙が実施され、移民に反対する勢力が躍進している模様です。

出口調査によると、首位は中道左派のドイツ社会民主党(SPD)で30.5%(-5.1%)、第2位はドイツのための選択肢党(AfD)で21.0%(+21.0%)、第3位がメルケル首相の所属するキリスト教民主同盟(CDU)で19.0%(-4.0%)で推移しています。

強調しておきたいのは、この出口調査の結果は十分に予想された結果であり、「番狂わせ」ではないということです。

この州はメルケル首相の故郷であり、そこでの敗退は来年秋の連邦議会選挙に影響しかねないと言われています。

しかし今回の選挙結果は、もう少し慎重に分析する必要があると思います。まずメクレンブルク・フォアポンメルン州は旧東ドイツで、歴史的に失業率が高い地域だという点です。

人口動態でみると30歳以下の若者で低学歴、低所得層がドイツのための選択肢党(AfD)を熱烈に支持しています。これはアメリカの大統領選挙でドナルド・トランプ候補を支持している層と良く似ていると言い換えることもできるでしょう。

ドイツ全体でみると移民を受け入れるという大方針については、賛成する国民の方が多いです。だからメクレンブルク・フォアポンメルン州でおきていることがドイツ全体に当てはまると考えるのは間違いです。

製造業の拠点がある地域では、徒弟制度のような熟練工養成プログラムに進んで取り組む移民の若者を必要としています。言い換えればドイツ産業界は移民政策に関して隠然たる影響力を持っているということです。

今回の選挙では、キリスト教民主同盟(CDU)だけでなく、ドイツ社会民主党(SPD)も大敗を喫しました。

今回の選挙でCDUが第3位に甘んじたことでメルケルが首相の座を追われると考えるのは早計です。

なぜならメルケル個人に対するドイツ国民の支持率は50%以上であり、これは欧州の政治家としては極めて高いからです。

どうせドイツは過半数の政権を形成するためには連立政権を樹立する必要があります。

その際、ドイツのための選択肢党(AfD)は連立政権のパートナーとしては誰からも顧みられないでしょう。

結局、連立政権をまとめることが出来るのは、国民から最もポピュラーで、根回し力に勝るメルケルだけです。だから「メルケルの四期目は危うい」という論調には耳を貸さないで下さい。



広瀬隆雄のツイッター: @hirosetakao