ここ数カ月、大統領選挙に関するコメントを求められることが多かったし、いろんなところで書きまくったので、いい加減、ウンザリしています。

でも相場を考える上で大事なことなので、いままで書けなかったホンネを、一言だけ加えておきます。

トランプのコア支持層である白人・低所得・低教育層だけが彼を支持したのなら、彼は選挙に勝てなかっただろう。


つまり、我々インテリで高所得者層の中に、裏切り者が居る(笑)ということです。

世の中は、高邁な理想や隣人に対する同情だけで動いているのではありません。

早い話、社会福祉とか平等な社会というのは「Powered by the Rich」、つまり高額所得者からむしる税金で賄われているということ。

米国の税制は高度福祉社会と言われる欧州よりも、もっと累進性が強い(=つまり金持ちになるほど高い税金を取られるということ)です。

米国のトップ10%は、全体の45%の税金を払っています。ちなみに先進国全般(=ここではOECDのデータ)ではトップ10%が負担する税金は32%に過ぎません。

「欧州型社会主義」と言われるスウェーデンの場合、トップ10%の税負担はわずか27%です。

アメリカで年収1,430万円以上のひとたちは全アメリカ人の所得の50%を牛耳っています。それは事実なんだけれど、そのグループは全アメリカの所得税の84%を負担しているのです!

逆にアメリカで年収511万円以下のひとたちはネット・ベース(=つまり税金と、もろもろの社会福祉などの、貰えるお金を差し引いたもの)では負担どころか得をしているのです。

するとですよ……(笑)

会社やともだちが集まったところでは「トランプって、お下劣だよね」とか「女性蔑視発言は、いまの時代にふさわしくないよね」とその場の雰囲気に合わせてトランプ批判するわけです。これがタテマエ

しかし家に帰って夜、就寝するとき電気を消して布団に入って、ほんとうにひとりになったとき……

でも、、、結局、おれたちなんだよね、社会保障受給者たちを喰わせているのは。トランプは現在の最高税率39.6%を、33%に下げると言っている。相続税も全廃だ。ところがヒラリーだと最高税率が43.6%に引上げられるだけでなく相続税65%って、これ一体、何のつもり?国は、そこまで裕福層から奪う権利を持っているの?


という感情がむくむくと湧き上がってくるわけです。これが裕福層のホンネ

つまりヒラリーが語る同情的で進歩的な社会は美しいけれど、人間は最後には個人の打算というかソロバンで動くということなのです。

平等は大事だけれど、それを追求しすぎると、経済の活力すら殺いでしまう。

結局、トランプが大統領になってもマーケットがクラッシュしなかった理由は、本当に世の中や経済を動かしている、そういう連中の、安堵が株価に表現された……そういうことのような気がするのです。