ドナルド・トランプが次期政権の要職の人選に入っています。

メディアは「トランプがJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンを財務長官にすることを検討している」と報じました。

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僕のドタ勘では、これが実現する可能性は小さいと思います。

なぜか?

理路整然とした理由ではないのですけれど、ひとことで片付ければ「ジェイミーは、ルイ太陽王だから」


だいいち、ビジネスマンとしての格は、トランプよりジェイミーの方が遥かに上です。ルイ太陽王には、上司は必要ない(笑)

それにトランプの経済アドバイザーは、見ているこっちのほうが、思わず頭を抱え込むようなB級プレーヤーばかり。

その中には金本位制を唱えているヤツが居たり(笑)、兎に角、リテラシーの欠如は、目を覆わんばかり。

マクロ経済の面での筆頭アドバイザーはデビッド・マルパスです。マルパスはサブプライム・ショックのとき、リーマン・ブラザーズよりも一足先に倒産の危機に瀕し、財務省の指示でJPモルガン・チェースが救済合併したベア・スターンズのチーフ・エコノミストです。

そのときにクビにしたマルパスに乞われて、ルイ太陽王のジェイミーが「はいそうですか。それではひとつ財務長官の仕事、やらせて頂きます!」なんてカタチでペコペコしながら入閣するわけがない。www

兎に角、投資家はトランプの経済アドバイザリー・チームの貧相さに、早く気が付いたほうがいいよ。こいつら、アメリカ経済を無茶苦茶にミス・マネージしかねないから。

トランプが当選して以降、マーケットは乱高下しているわけだけど、その中にあって米国債だけは一貫して売られている。この事実に、投資家は括目すべし!

もうひとりの、中核となっているアドバイザーはスティーブン・ムニュチンという男ですが、彼は親の七光りでゴールドマン・サックスに入社したけど、バンカーとしては芽が出ず、その後、ハリウッドに転身し、投資ファンドから『アバター』や『Xメン』をプロデュースした経歴を持ちます。

まあ、このへんの映画はそれなりにヒットしたけど、それ以上に空振り三振も多いです。

だからおよそ大統領に対して経済のイロハに関しアドバイスできるような経歴の持ち主じゃない。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンに話を戻すと、投資銀行界は、これまで「3強時代」と言われてきました。ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、そしてモルガン・スタンレーです。

でも今はJPモルガン・チェースの「1強時代」にだんだんなっている。

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株価の方も、トランプ当選以降の債券利回り上昇で、垂直に騰がりはじめたばかり。

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時価総額で念願の銀行株世界一を果たしたばかりでもあり、いまJPモルガン・チェースが一番ときめいている瞬間なのだから、こんなときに道化師集団としか言いようがないトランプのチームに加担して、自分の名声をムダに貶める必要なんて、どこにもないわけです。