1970年代にニフティ・フィフティ相場というのがありました。

ニフティとは「ちょっとイケてる」という意味で、フィフティは「50銘柄」という意味です。

つまり、ちょっとイケてる50銘柄だけが、市場全体のバリュエーションと乖離して、べらぼうな高値で取引されていたということです。

具体的な銘柄で言うとポラロイド、デジタル・イクイプメント、バローズ、ゼロックス、エイヴォン・プロダクツなどが含まれていました。いずれも当時の「ニュー・エコノミー」を代表するハイテクや新手のサービスの企業です。

ニフティ・フィフティがピークをつけた1972年12月のそれら50銘柄の平均株価収益率(PER)は42倍(以下全て過去12ヵ月のEPSに基づいて)でした。そのときのS&P500の株価収益率は18.9倍です。

いまはFANGと呼ばれる一握りの銘柄が、ちょうどニフティ・フィフティと同じようなノリでチヤホヤされています。FANGとは、フェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、グーグル(=アルファベットGOOGLのこと)を指します。

これらの銘柄の株価収益率は:

フェイスブック 46.6倍
アマゾン 170倍
ネットフリックス 310倍
アルファベット 28倍


そして現在のS&P500指数のPERは18.37倍です。

ニフティ・フィフティが崩壊した1972年の状況を振り返りましょう。

まず11月に現職のニクソン大統領が大統領選挙で地滑り的な圧勝をします。マーケットにはユーフォリア的な買いが殺到します。

しかし下のチャートのオレンジ色の線のように物価がゆっくりとボトムを付けた後上昇に転じたのでFRBが利上げ(=当時はフェデラルファンズ・レートではなく、ディスカウント・レートが政策金利でした)をシグナル(赤の矢印)します。

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その途端、ニフティ・フィフティが崩落したのです。

それらの銘柄の多くは株価が3分の1になりました。

翻って今日の状況を見るとトランプの当選でマーケットはユーフォリアに包まれています。しかし物価は上昇に転じており、12月14日に予定されている今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが予想されています。

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債券は、これを織り込む形で毎日、下落しています。

蛇足ですがニフティ・フィフティの崩壊はマーケット全体にも悪影響を及ぼし、1973年は-16.6%、1974年は-27.6%という惨状でした。