プライベート・エクイティー・ファンドのシルバーレイクブロードコム(シンボル:AVGO)の持ち株をバッサリ処分しました。

AVGO

今回売却したのは700万株で、代金にして12.4億ドルです。処分を実行したのは12月13日から16日の間で、平均単価は177.24ドルでした。

シルバーレイクの残りの持ち株は369万株です。

ブロードコムは広範な製品ポートフォリオを持っていますがiPhoneへのサプライヤーとしても知られています。

我々投資家にとって今回のシルバーレイクの手口が注目に値する理由は、ブロードコムに投資したシルバーレイクのリード・インベスターがケン・ハオだという点だと思います。

ケン・ハオは半導体やハードウェアのPEインベスターとしてはシリコンバレーで最も尊敬されている男であり、ブロードコムの取締役も務めています。その彼がシルバーレイクのハードウェア投資の旗艦とも言えるブロードコムの持ち株を減らしているというのは、尋常ではないからです。

恐らく彼には我々の見えてないものが、見えているんでしょうね。

ブロードコムのCEOは立志伝中の人、ホック・タンですが、彼はシルバーレイクとKKRが2005年にヒューレット・パッカードの半導体部門をバイアウトし、アバゴ・テクノロジーズと改名した際、そのリーダーとして白羽の矢が立てられた人物です。もともとIDTの会長をしており、その頃からケン・ハオとは繋がりがありました。

アバゴ・テクノロジーズはその後、PMCシエラ、インフィニオン、LSI、PLXテクノロジー、エミュレックスを次々に買収し、2015年にブロードコムを買収しました。アバゴとブロードコムではブロードコムの方が有名なブランドなので、社名をブロードコムに変更したわけです。

このようにホック・タンはアメリカの半導体業界の再編の「台風の目」のような存在であり、その背後にはシルバーレイクのディール・チームが控えていたというわけです。

シルバーレイクはハンブレクト&クイストのバンカーだったジム・デビッドソン、ブラックストーン・グループのグレン・ハッチンス、インテグラル・キャピタルのロジャー・マクナミーなどが集まって1999年に創業されました。

ケン・ハオはハンブレクト&クイスト時代にエヌビディアなどのIPOを仕掛けましたが、半導体・ハードウェアに誰よりも詳しい男だったので、このときにジム・デビッドソンに引っ張られたわけです。

現在、シルバーレイクの創業パートナーの多くは第一線から退いており「四人のアミーゴ」と呼ばれる第二世代のマネージング・パートナー達が投資業務を進めています。ケン・ハオはそのうちの一人です。