ホステス・ブランズ(TWNK)が現在、フロリダ州で開催されているICRカンファレンスに登壇しました。

ホステス・ブランズは96年の歴史を誇るお菓子メーカーで、「トゥインキーズ」、「ホーホーズ」、「カップ・ケイクス」などの子供向けケーキ菓子を製造しています。

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これらのブランドは、アメリカ人の90%がブランド認知しているそうです。

これらはいずれもノスタルジックでエモーショナルなブランドであり、アメリカ人はスーパーでこれらの商品を見ただけで子供の頃の思い出が甦る……そういうお菓子です。

SnackCakes

だからホステス・ブランズがチャプター7による倒産を発表したときはこれを嘆く声が多かったです。

プライベート・エクイティーのアポロは、倒産したホステス・ブランズのブランドと製造ノウハウを買収し、1.5億ドルをITシステムに投資するとともにウエアハウス・モデルを採用しました。

ウエアハウス・モデルとは、ウォルマート、クローガーズ、ディーン・フーズ、マクレーン、コアマーク、EBブラウンなどのディスカウントストアやスーパーや食品ディストリビューターの倉庫にホステス・ブランズが製造した商品を納品するというビジネス・モデルを指します。

これと対比されるビジネス・モデルにダイレクト・ストア・デリバリー(DSD)モデルというのがあります。これは食品会社が、自分のトラックで、商品を直接スーパーに届ける方法を指します。

普通、食品は賞味期間が短いので、ウエアハウス(=倉庫)に一度保管し、そこからもう一度トラックでスーパーに運ぶということが出来ません。(もちろん、コーラや缶詰など、賞味期間が長い商品は別です)

食品会社が自社でトラックを所有し、取引先の企業のスーパーやコンビニに全て商品を置いて回ったのでは配送コストばかりがかかって儲かりません。


そこでアポロのチームはホステス・ブランズのケーキ菓子の賞味期間を長くする工夫をし、DSDモデルを止め、ウエアハウス・モデルに転換したのです。

この結果、同社のケーキ菓子は、製造してから65日間、小売店に届けられてからの賞味期間は45日間を確保することができました。すると:

65日-45日=20日


となり、この20日の間、上に列挙したようなパートナー企業の倉庫にケーキ菓子が寝ていてもOKという時間的余裕を与えられたことになるわけです。

同様の理由から、工場の数を大幅に減らすことも可能になりました。自社でトラックを走らせなくて良くなったので、ホステス・ブランズの利益率は大幅に向上しました。

倒産により、同社のマーケットシェアは22%から0%になりました。アポロ・マネージメントの下で企業再生し、現在、マーケットシェアは16%にまで戻ってきています。

当面はこのマーケットシェアを元の22%に戻すだけで年率10%程度の売上高成長を捻出できる見込みです。

ホステス・ブランズの競合はフラワーズとビンボーです。これらの企業はいずれも食パンが本業なので、毎日、フレッシュなベーキングを行うのが当然という企業文化です。

そのことはつまりこれらの企業はウエアハウス・モデルに移行することは、ありえないのです。

それは競合他社の営業コストが高くならざるを得ないことを意味し、ホステス・ブランズが現在のEBITDAマージン(29%)を維持しやすい環境を作っています。

2016年9月30日で〆た9か月の売上高は7.18億ドル、粗利益は3億ドル、修正EBITDAは2億ドルでした。

TWNK