テスラ(ティッカーシンボル:TSLA)の「大衆車」、モデル3の量産が今年の7月からカリフォルニアのフリーモント工場で開始されます。

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モデル3の価格設定は390万円、モデルSは757万円、モデルXは917万円です。(いずれも為替を1ドル=111円で換算)

現在のテスラの経営目標は、モデル3を年間50万台製造することです。現在の主力製品であるモデルSとモデルXの合計の年間生産台数は10万台なので、これはかなりアグレッシブな目標と言えます。

テスラは2020年までに年間生産台数100万台を目標としています。また最近の株価の上昇で「2027年までに200万台を売り上げるというシナリオが、株価に織り込まれてしまっている」とするアナリストも居ます。

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そのシナリオだと現在の米国の自動車販売台数である年間1,700万台が今後も変わらないとすると12%近いマーケットシェアを獲得する計算になります。また、生産台数でBMWを上回り、メルセデス・ベンツとほぼ肩を並べる計算になります。

今回、モデル3の量産に入るにあたって、テスラはプロトタイプの量産というステップを省略しました。これは出荷を急ぐための判断ですが、ひょっとすると量産に入った後で不具合が発見されるリスクがあります。

またネバダ州に建設中の巨大なバッテリー工場、ギガ・ファクトリーが予定通りちゃんと立ち上がることがモデル3の量産を可能にする前提条件となっています。

いまのところ先行投資負担が大きすぎてテスラは利益を出していません。

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モデル3がアメリカ中を走り回るようになると、現在ある約850ヶ所、5,500台のスーパーチャージャー(=ガソリンスタンドの給油装置のようなもの)を2倍に増やす必要があります。またテスラの整備のためのサービス・ステーションの数も、営業拠点の数も足らないでしょう。

話が脱線しますが、テスラのスーパーチャージャーは、とんでもないロケーションに設置されている場合もあります。普通、クルマで遠出をするときは、ガソリンスタンドで給油する際にちょっとトイレを借りて、ついでにコーヒーとかスナックを買うのが当たり前ですが、テスラのスーパーチャージャーにはそのようなアメニティが無いところも多いです。

スーパーチャージャーは「充電が早い!」と言っても、30分、待たされます。吹き晒しの、何もない駐車場のような場所で30分待たされるのはきついです。

そこでワイフと「このスーパーチャージャーの前に、ちょっとしたコーヒーショップを出店してはどうだろうか?」というようなことを話し合っています。

1849年にカリフォルニアでゴールドラッシュが起きた時、いちばん儲けたのは金鉱に押し寄せた人々ではなく、彼らにジーンズを売った「Levi's」、つまりリーバイ・ストラウスでした。

だからテスラで儲けることを考えた場合、最善の方法はテスラ株を買うことではなく、「コバンザメ商法」かもしれないのです。

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