きょう、最近VALUを始めた、あるYouTuberが、自分のVALUをありったけ売出して話題になりました。

この問題には、ちょっと考えさせられました。

FacebookやYouTubeは広告モデルを採用しています。そのことはアテンション(注目)をGetできるユーザーが幅を利かすことを意味します。今日話題になったYouTuberも、アテンションをGetすることに長けている人だと思います。

シリコンバレーの著名投資家、ロジャー・マクナミーは、「FacebookやGoogleが広告モデルを採用したということは、とんでもない副作用を招来した」と警鐘を鳴らしました。

つまり広告モデルではページビュー(PV:閲覧数)が問題となるので、PVを稼げる投稿者が最優先されるということです。

ロジャー・マクナミーは:

人々のアテンションをGetしようとすれば、①脅し、②怒り、の二つが一番有効だという調査結果がある。すると継続的に人々の注意をひきつけようとするクリエーターは、おのずと炎上へと流れざるを得なくなる。Facebookが、友達や家族の近況報告の場から、「いいね」の獲得合戦の場所になり、ささくれてしまったのは、当然だ。


と解説しています。

だからFacebookを活用し、情報を整理することは、できません! 

また、自分の頭を整理し、情報を取捨選択することも不可能です。

なぜならFacebookは重要な順、信頼性の高い順に情報を表示することには全く関心は無く、常に目先の、アテンションをGetしやすい投稿に最適化(Optimize)しているからです。

アテンションがカネになることは、きょうVALUの大量売りで話題をさらった件のYouTuberも証明しているし、イケダハヤトの炎上商法も、基本的には同じパターンを踏襲しています。

でも「アテンションを沢山獲得している=信用できる」ではありません。

信用は、英語ではcreditになります。その語源はラテン語のクレド(Credo)であり、それは「I believe」という意味です。

「わたしは、信じる」


これはおカネの出し手の側での心の動きを示しています。

つまり銀行に預金するのは、それがいつでも引き出せると預金者が思う(I believe)から、そうするのだし、他人におカネを貸すのは、それが返してもらえると貸し手が思うから(I believe)そうするわけです。

同様に株式投資やVALUも(この銘柄は信用に足る)と買い手が思うから、トランザクションが起こるわけです。

残念ながら、バブル時は、何でも盲信する「信者」が続出します。つまり(I believe)が大量生産されるのです。

そのような熱狂状況では、アテンションと信用を区別することは、至難の業です。

しかしバブルがはじけた後は、アテンションだけで人気化したものは、直ぐに人気が剥げます。つまり本当に信用されるものだけが残るのです。

まあ、そんな説教臭いことを言っても、熱狂の渦中では誰も問題にしないでしょうね。

実際、バブルの状態では、バカほど儲けます。アタマのスイッチを「OFF」にして、見境なく踊り狂った方が勝ちなのです。

リテラシーが問題になるのは、下げ相場の局面だけです。