前回はビットコインが生まれた背景について書きました。

今日は、ある仮想通貨が、人々から(これは価値がある!)と思われる決め手になるファクターについて書きます。

日頃、我々は「仮想通貨」という言葉を気軽に使っていますが、ここでちゃんと通貨とは何か? を定義しておきたいと思います。

一般に通貨には3つの特徴があります:

交換の手段(means of exchange)
価値の貯蔵(store of value)
勘定の単位(unit of account)


この3つを満足していなければ、それは通貨ではありません。

仮想通貨の場合、「交換の手段」と「勘定の単位」としての利用価値は自明ですが、「価値の貯蔵」に関しては、とりわけ注意を払う必要があります。

なぜなら「価値の貯蔵」を確実に行うためには、供給が制限されることがどうしても必要だからです。

いまコップの中にカルピスの原液があるとします。それに適量な水を加えると、ちょうど美味しい濃さになります。

でも、やたらと量を増やそうとして、適量を超えて水をどんどん加えれば、カルピスはシャバシャバに薄められてしまい、水っぽ過ぎて、美味しくなくなります。

この「ちょうど美味しい適量」をビットコインでは「算術的に計量された供給の制限(Mathematically Metered Supply)」により実現しています。

ビットコインだけでなく、大半の仮想通貨が、供給に関するなんらかの約束事を定めています。それがいい加減な仮想通貨は、「シャバシャバに薄められたカルピス」になるリスクを孕んでおり、そんな仮想通貨には投資すべきではありません。

なお、算術的に計量された供給の制限のことを「発行モデル(Issuance model)」と言う場合もあります。

よく新しい仮想通貨が出てくる場合、「ホワイトペーパーを読んで研究しなさい!」と言われますが、その際、ホワイトペーパーのどの部分を読む? ということが問題になります。

僕の考えでは、「発行モデル」がどうデザインされているか? をまず調べることが、最も重要だと考えます。


ビットトレード

たとえばビットコインの場合、あらかじめビットコインの総発行量は2100万ビットコインと決まっています。これをサプライ・スケジュール(Supply Schedule)と言う場合もあります。

ビットコインが初めて登場したとき、2009年1月3日は50個、2009年1月5日は、もう50個、2009年1月7日には、さらに50個……というペースで新しいビットコインが供給されるようにデザインされていました。

それが2009年1月9日には750個、2009年1月11日には7,600個、2009年1月13日には17,800個と増えて行ったのです。

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ビットコインが誕生してから最初の4年間は10分おきに50個のビットコインが検証作業完了したご褒美としてマイナーに渡されました。

しかし永遠に同じレートでビットコインがポコポコ出来てきたら、供給過剰でビットコインの希少価値がなくなってしまい、「価値の貯蔵」目的でビットコインを買うメリットが無くなってしまいます。

そこでビットコインでは21万ブロックごとに新規のビットコインの発行数が半減するというスケジュールを予めプログラムしておきました。この「半減する」ことをblock reward halving、略してハルヴィング(halving)と言います。

例えば2012年11月28日に、それまでのご褒美が50個だったのが、25個へ半減させられました。

さらに2016年7月9日には、それまでのご褒美が25だったのが、12.5個へ半減させられたのです。

このようにご褒美のビットコイン数がどんどん少なくなるのに、なぜマイナーはマイニング作業を続けるか? といえば、それはビットコイン価格が上昇することで、ご褒美の個数が減ることを補うことができるからです。

2009年からこんにちまでの全てのサプライ・スケジュールを示したのが、下のチャートです。

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現在、1,661万ビットコインが「発行済み」となっており、20402140年までに予定されている2,100万ビットコインの全てが発行されることになります。

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【ビットコインの基礎シリーズ】 第1回 ビットコインが生まれた背景について

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