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マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート

マーク・ファーバーは独創的な視点から相場を語るカリスマ投資家です。彼がこれまでに言い当てたことの一部を書き抜いてみれば:

1971年のニクソン・ショックとその後のドル安
1987年のブラックマンデー
1990年の日本のバブル崩壊
2000年のドットコム・バブル崩壊

などになります。

これだけ当てているのは、結構、すごいですよね?

でもタイミング的には、ニクソン・ショックを言い当てた時のように「ドンピシャ」だったこともあれば、ドットコム・バブル崩壊の予言のように、なかなかそれが到来しないケースもありました。

だから「短期的には、まちがっていた」という風に評されることもしばしばあります。曲がっている間は、同業者のみならずマスコミ関係者からも馬鹿にされます。

彼はスイス生まれなので、英語がちょっと訛っていて、そのコミカルな言葉の抑揚が(何言ってんだ、このオッサンは!)という侮蔑を受けやすい原因だと思います。

でも米国の投資週刊紙『バロンズ』の新春座談会のメンバーを長く務めたことからもわかる通り、出鱈目を言う人ではありません。

僕は投資銀行時代、たくさんのアメリカの機関投資家を担当しましたが、その経験から言えば、バイサイドのCIOクラスには、マーク・ファーバーの熱心なファンが多いです。

マーク・ファーバーの投資レターは「The Gloom, Boom & Doom Report」というコミカルに韻を踏んだタイトルで、日本語に意訳すれば「ウツウツ、キャピキャピ、ボロボロ・レポート」くらいの意味です。

このレポートは日本ではパンローリングが翻訳しており「マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート」として発行されています。

マーク・ファーバーのレポートは、よくありがちなクウォンツ的な切り口ではなく、叙述的であり、歴史観と景気循環論に立脚した、ある種、哲学的な読み物になっています。

今回のレポート(2018年3月号)ではアメリカのオピオイド禍について分析がなされています。それがゆくゆくは連邦政府の予算も圧迫するというのがファーバーの指摘です。

これとは別に今月号では金利の上昇で、中小の銀行のクレジットカード債務の滞納率が上昇している点も指摘されています。

長い目で見た時のアメリカ経済の今後のリスクについて、同レポートには鋭い指摘があり、一読に値します。

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マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート