ウォールストリート・ジャーナルが伝えるところによると、大手運用会社、アライアンス・バーンスタイン(ティッカーシンボル:AB)が本社をニューヨークからテネシー州ナッシュビルに移転するそうです。

これはウォール街の変貌をひしひしと感じさせるニュースです。なぜならば同社の前身、アライアンス・キャピタルは自らを「アクティブ運用の雄」と考え、「歯を喰いしばっても、機関投資家の中で一番ウォール街に手数料を落としている運用会社の座を守る」ことを長年、社是としてきたからです。

(手数料コストなって安い方がいいに決まっているのに、「ウォール街に一番手数料を落としている!」なんて自慢してどうする?)

皆さんはそうお考えかもしれません。しかし投資銀行にとって一番のドル箱顧客になるということは、耳寄り情報を誰よりも早く入手できることを意味します。いわゆる「ファーストコール」というやつです。だから各投資銀行も一番腕の立つセールスマンをアライアンス・キャピタルにあてがいました。

一方、バーンスタインの方はサンフォード・バーンスタイン証券というバリュー株調査で定評のあるブティック証券の運用部門でした。それがグロースを主体とするアライアンスと合併したわけです。その後、アライアンス・バーンスタインはアクサ・グループの傘下に入りましたがアクサとの関係は必ずしも良くなかったと思います。

しかし時代はETFを中心としたインデックス運用に流れてゆき、アライアンス・バーンスタインのようなオールド・スタイルのアクティブ運用というのは、あまり流行らなくなってきました。

今回、テネシー州ナッシュビルに移転するのはコスト削減が主な動機です。

CEOを含めた本社機能は全部ナッシュビルに移ります。一応、ファンドマネージャーとクライアント・リレーションズを担当するセールスだけがニューヨークに残ります。しかしこれは「いずれナッシュビルに移って来ないと、クビにするよ」というやんわりとした引導だと考えるべきでしょう。

運用会社の例ではPIMCOがテキサス州オースチンに新しい事務所を開くと最近発表しています。その理由はPIMCOの本社があるロスアンゼルス南部のニューポート・ビーチはとても高級住宅地になってしまって、コストが高騰したことによります。その点、オースチンはテキサス大学オースチン校があるし、デル・コンピュータ発祥の地であり、地元にある程度ITのリテラシーの高い学生が居ます。

アマゾンの「第2本社」の例を挙げるまでも無く、いま再びコーポレート・アメリカはリロケーション・ブームになっているという事が出来るでしょう。

ab

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