米国の新規株式公開(IPO)市場は活況を呈しています。下はIPO調達金額のチャートです。2018年は上半期のみの数字です。

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今年はこれまでにハイテク企業が121.9億ドル、それ以外の企業が229.9億ドルを調達しました。過去最高はドットコム・ブームが絶頂だった2000年ですが、そのときはハイテク企業が297.9億ドル、それ以外の企業が370.5億ドルを調達しました。単純に今年の上半期を年率換算すれば、2000年に匹敵する豊作の年になる計算です。

ウォールストリート・ジャーナルのモーリーン・ファレルによれば「(IPOが増えた一因は)プライベート・マーケットでの評価と公開市場での評価との間の落差が消滅したから」だそうです。

これを僕なりに言い換えれば、ユニコーンをやたらにチヤホヤする軽薄な風潮が、Uberやセラノスの相次ぐスキャンダルで下火になり、それと同時に(いつまでもプライベート・カンパニーで居続けるのは損だ)という認識が経営者の中に芽生えたからだと思います。

なお、最近IPOしたハイテク企業の中にはたいへん良質な企業がゴロゴロしています。具体的にはアトラシアン(ティッカーシンボル:TEAM)、オクタ(ティッカーシンボル:OKTA)、ズィー・スケーラー(ティッカーシンボル:ZS)、ズオラ(ティッカーシンボル:ZUO)、プルーラルサイト(ティッカーシンボル:PS)、カーボン・ブラック(ティッカーシンボル:CBLK)、ピボタル・ソフトウェア(ティッカーシンボル:PVTL)などが挙げられます。

中国株ADRでも値を飛ばす銘柄が散見されました。「中国のネットフリックス」のあだ名がつけられたアイ・チー・イー(ティッカーシンボル:IQ)、ビリビリ(ティッカーシンボル:BILI)、フーヤー(ティッカーシンボル:HUYA)などです。



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