【エクスチェンジ・トークンって何?】
エクスチェンジ・トークン(ET)は一部の仮想通貨取引所が出しているユーティリティー・トークンです。

僕が把握している限りでは、バイナンスはBNB、フオビはHT、クーコインはKCS、コインエックスはCETという名称のトークンを出しています。

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これらのトークンはいずれも仮想通貨取引所が出しているため「中央集権」と捉える事が出来ます。

【ETのメリット】
上記の仮想通貨取引所でトレーダーが頻繁に取引すると、ご褒美としてETを貰う事ができます。ETはトレーディング・フィーをディスカウントしてもらえる、ある種の「割引券」と考えることができます。

頻繁にトレードする人は、オーダーが偏り、流動性が限られている市場に「マーケット・メーカー」として参加することで、ETを獲得できます。そのETは転売することも出来ます。

またETの保有者は取引所のガバナンスに対して口出しできる権利を付与されているケースもあります。さらに新しい仮想通貨の上場に際してはETのエアドロップを受けることもあります。

【ETを出す側のそろばん】
するとトレーダーとしてはETというエサをぶら下げている仮想通貨取引所で主にトレードするインセンティブが働くわけです。つまり仮想通貨取引所はライバルとの出来高競争を有利に展開する目的でETを出していると考えることができるのです。

取引所は手持ちのETの全てを出すのではなく、一部だけを放出するので、ETの値上がりによって「含み益」が増えるというメリットもあると思います。

【ETの価格は何によって決まる?】
コインファイの調査によるとET価格は取引所の出来高に密接に連動していることがわかっています。

【ETのリスク】
ETを出している各仮想通貨取引所はそれをユーティリティー・トークンであると規定しています。しかしその働きは「株式」に近いと思われます。トレーディング・フィーの割引は、一種の配当、ないしは株主優待であるとみなすことができるし、ET保有者がガバナンスに口出しできるというのは株式で言うところの共益権に酷似しています。すると米国証券取引委員会(SEC)のような当局からにらまれるリスクがあるのです。

またETを獲得しようとするトレーダーがウォッシュ・セール(同じ仮想通貨を同値で取引すること)を繰り返すことを助長するかも知れません。

また仮想通貨取引所が或る仮想通貨を上場させる代わりにデベロッパーから対価を要求し、しかもそれがトークンで支払われた場合、取引所がそのトークンの「売り逃げ」をすることがしやすくなるという利益相反も可能性としては考えられます。

【仮想通貨の最大の用途はマネー・ゲームである】
最後に、これまでのところ仮想通貨は我々の日常の暮らしの中で、モノを買った時の代金の支払いなどに使われることは皆無で、もっぱら仮想通貨の値上がりを狙ったトレーディングばかりが流行しています。

つまり仮想通貨の最大の使用例はマネー・ゲームだということです。

そうなのであれば、マネー・ゲームの舞台となる仮想通貨取引所の出すETが「ユーティリティー・トークンの実際の使用例」として注目されるのは、ある意味、当然の成り行きのように思います。

僕ですか?

「This is not my cup of tea.」だと思っています。



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