ビットコイン価格が8000ドルまで上昇してきています。

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その背景には「ビットコインETFが、いよいよ近く承認されるのでは?」という観測があります。

ビットコインETFの承認は機関投資家マネーを仮想通貨市場に呼び込む大事なキッカケになります。

(それについてはココで書いておきました)

現在のビットコイン価格は、この材料のみで動いていると言っても過言ではありません。

しかし……

(ビットコインETFなら、どんなものでも良い)


そんな風に皆さんが考えているのなら、それは間違いです。

実際、すでにビットコインETFは上場され、取引されています。(但し、これから説明するような、途方もなくショボイ商品ですが。)

いい加減で、「裏口入学」のようなカタチで上場されたビットコインETFなら、そんなもん、機関投資家は買いません!

だからそれがビットコインに本格的に資金が流入する起爆剤にもなりません。

一例としてグレイスケール・ビットコイン・インベストメント・トラスト(GBTC)というお粗末な商品があります。

これを見て(あれ!? 未だビットコインETFは認められていないはずなのに、なぜビットコイン信託がトレードされているの?)と思わない投資家は居ないでしょう。

このグレイスケールのビットコイン信託は次のようなステップを踏んで上場されています。

まずグレイスケール・ビットコイン信託は「機関投資家向け私募ファンド」というカタチで売り出されました。プロ向け私募ファンドは商品設計の自由度が高いですし、様々な報告義務や上場基準も緩いです。だからビットコイン信託のような商品でも売ることが許されたのです。

ただし、このファンドは1年間の転売禁止ルールが課せられていました。そして1年が過ぎたので、晴れて投資家は転売が可能になったのです。

そこで流通市場が必要になるわけだけど、それがOTC Marketsという私企業の運営している店頭市場になります。

OTC Marketsは、むかしピンクシート(Pink Sheet)と呼ばれていました。これは薄いピンク色に染められた紙を束ねた、短冊のような冊子を指します。そこにNYSEやナスダックに上場できない泡沫的なペニー・ストックの相対(あいたい)での取引価格を記載したものです。

つまりある種の電話帳というか連絡帳のような出版物です。ピンクシートはいわゆる「電話市場」であり、個別折衝で値段を折り合います。

「OTC Markets上場!」というとカッコよく聞こえるけど、これはNYSEやナスダック上場とは似て非なるもの。実際、「四半期の決算がちゃんと〆られない」、「株主の数や株価が上場基準に満たないほど減ってしまった」などの理由でそれらのメジャーな市場から上場廃止を喰らった証券が、「敗戦処理」で整理される際、当事者同士が使う「墓場」としてOTC Marketsが使われます。これがいわゆる「ピンクシート落ち」と呼ばれる現象です。

ピンクシートの企業は四半期決算を開示する必要はない(=できない)し、有価証券登録する必要もありません。

グレイスケールのビットコイン信託はGBTCというティッカーシンボルでOTC Marketsでクウォートされていますが、現物より2倍近いプレミアムで売買が成立することもあり、「買った瞬間に本源的価値が半値になる」という恐ろしい商品です。

こういうお粗末な商品には機関投資家は手を出しません。情弱な個人だけが、うっかり手を出してヤケドする程度です。

つまりそのような貧相な商品では、とうてい機関投資家マネーをunlockするようなことは出来ないという事。

まあ、これは一例ですが、「ETFなら、なんでもいい」と言う風に考えるのは株式投資やETF投資をやったことのない未熟な仮想通貨クラスタの連中だけが考えるアサハカな発想です。

実際にはETFは「勝ち組」と「負け組」があり、ちゃんと名前の通った、ブラックロック、バンガード、ステートストリートのような巨大運用会社がスポンサーするETFでないとデカい需要は掘り起こせないと思います。

だから「ビットコインETFなら、なんでもいいのでは?」というような子供じみた発想はくれぐれもしないように。


ビットバンクトレード




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