このところのイーサリアム(ETH)の下げに関し、「ICOした起業家たちが売っている」という噂が出ている事は以前書きました

最近、サンティメントというサイトが立ち上がり、仮想通貨の色んなデータを提供しているのですが、そのデータのひとつに「ETH spent over time」(赤)というのがあり、ICO のチームのウォレットからどれだけのイーサリアムが出金されたかを知ることが出来ます。

sanbase-chart-ETH-2018-08-16T16_20_27+09_00

なるほどこのチャートを見るとICOした起業家の売りは増えているように見えます。ただ長期でみれば今が一番売りが集中しているということではないと思います。

最近ではAtonomi、AppCoins、Openledgerなどが売っているようです。

しかしICOしたチームのウォレットからETHが出金されたことイコール「売却」とは限らないです。一例としてEtherollは仮想通貨メディア「TRUSTNODES」の記事に対して「ETHを動かしたのはスマート・コントラクトをアップデートしたためだ」と反論しています。

またETHの売却は開発チームへの報酬やR&Dコストをファンディングするために行われることもあり、それはキャッシュアウトというネガティブな側面だけではなく、単にイーサリアムを使った色々なプロジェクトが今盛んに活動しているという風に好意的に捉えることも出来ると思います。

なおICOした起業家が手持ちのトークンをどう処分していくか? という命題を考える場合、債券の投資家の間で知られている「Short convexity」というポジションに立たされるという点も以前の記事で書きました。

CONVEXITY

これはつまりプロジェクトが軌道に乗り、そのトークンの「経済圏」が確立されようとするまさしくその瞬間(図中、グワーンと価格が上昇する局面)に、自分は売り手に回らなければいけないというジレンマを指します。

このジレンマに対する「正解」は未だ見いだせてないと思いますが、最近のETHの価格下落と相まって、ある程度トークンを早い段階で処分するひとつの動機付けにはなっている気がします。


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