昨日、テンセントが「悪夢の決算」を発表しました。決算の内容については既に書いたので今日は割愛します。

決算を受けて同社株の反応は小さかったです。

しかしそれはこの決算の内容が「まずまずだった」ということでは決してないと思います。

まず同社株は今年の高値から-30%を超える大きな下落を記録しています。そしてその間には戦略的投資家の大口の売却のニュースもありました。

だから「気がつかないうちに下げた」というのは弁解にならないと思います。

言い換えれば「実はテンセントの中身がかなり悪くなっていた」ことを株価が先に織り込み、今回の決算はその変調を確認したまでに過ぎないということです。

なるほど今回、「パブジー」のイン・ゲーム・マネタイゼーションの認可が遅れたことはテンセントの落ち度ではありません。

これは当局の人事に絡めた事情があるので一過性のことだと思います。またゲームの認可が遅れているのはテンセントに限ったことではなく、他社も同様です。

ゲーム・リリースが全体的に鈍化しているのでフヤ(ティッカーシンボル:HUYA)などの他のゲーム関連銘柄のセンチメントも悪化しています。

しかしフヤはニュー・リリースよりむしろブロードキャスターやトーナメント・イベントへの依存が高いので調整した後は立ち直りが早いかも。

ところでゲームを離れ、テンセントの各種ユーザー・メトリックスを見ると、これらは大幅に鈍化、場合によってはマイナスに転じています。これは市場のサチュレーションを示唆しており、注意する必要があると思います。

最近は中国でニュース・アグリゲーション・サイトなど新手のサービスの登場で、ユーザーが比較的簡単に他へ流れる傾向が伝えられています。

つまりいかにテンセントのような圧倒的な市場支配力を持つ企業とはいえ、スマホ・ユーザーのアテンションを、これまで通り独り占めするのは、並大抵の努力ではないのです。

テンセントは世界の優良企業の中でも最も良く経営されている企業のひとつです。その会社が決算の全ての項目で予想を下回り、しかも過去13年で初めての減益を記録したということはbusiness as usualではありません。


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