今日、ニューヨーク・タイムズが去年の秋ころから仮想通貨のブームに飛び乗った個人投資家たちが自分の貯金の7割から9割を溶かしてしまったことに関する記事を掲載しました。

インタビューを受けた個人投資家のひとりは:

自分だけがバスに乗り遅れる恐怖に憑りつかれてしまった。てっとりばやく稼ぐことで頭がいっぱいだった。今回の大損で僕は破滅だ。


と語りました。

仮想通貨は1月に高値を付けた後、均してみれば高値から75%の下落を記録しました。その間、6千億ドルもの価値が「ぷいっ!」と消えてしまったのです。

米国の有力仮想通貨取引業者コインベースの場合、去年の10月から今年の3月にかけて口座数が2倍になりました。つまり比較的遅くに参戦した個人投資家が多かったのです。

また決済端末のスクエアが「スクエア・キャッシュ」というビットコインが買えるサービスを開始したのは去年の11月でした。従って殆どの投資家は天井付近で参戦したということです。

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ここからは僕の考えですが、アメリカと日本の仮想通貨投資家にはひとつの大きな違いがあります。それはアメリカでは仮想通貨のFX取引は認められておらず、従ってショート、つまり「売りから入る」取引が出来ないという事。

だから米国の個人投資家の大半はロング・オンリーであり、しっかりヤラレています。それに比べると日本では仮想通貨FX取引が許されているため上手く下げ相場を売ることが出来れば儲けることが出来ました。

ただHODL(=命がけで仮想通貨を抱き続ける事)にこだわった投資家は資産のほとんどを溶かしていると思います。

それではもう仮想通貨に未来は無いのでしょうか?

僕はそういう風には思いません。むしろ仮想通貨の将来性については最近になるほど勇気づけられています。

それについては別の機会に書くことにして、足下の相場に関してのコメントを続ければ、仮想通貨市場が底入れするにはまだまだ全然日柄が足らないと思います。

日柄の概念、大底で何が起こるか? については別のところに以前書いたのでそれを参考にしてください。

相場の大底で起きやすい事



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