去年の10月カリフォルニアのナパやサンタローザで起きた一連の山火事は2万1千の住宅を焼き、40人の死者を出しました。

山火事は色々な場所で同時多発的に起きたのですが、そのうちの幾つかは、強風で送電線が切れ、地面に垂れた送電線のスパークで引き起こされました。このため地元の電力会社、PG&E(ティッカーシンボル:PCG)は管理保全責任を問われていました。

同社を相手取って780もの訴訟が起こされ、それらに敗訴し賠償金を際限なく払い続けると同社の経営が傾くリスクが生まれました。

PCG

カリフォルニア州議会はPG&Eを救うため公益事業を巡る法制度を変える法案を投票に付し、金曜日の引け後に可決しました。ジェリー・ブラウン州知事がこれに署名し、法案は成立する見込みです。

議会がPG&Eを救うと決めたのは同社を破産させると最終的にそれは消費者にとって電力料金の値上がりというカタチで高くつくと判断したからです。

新法によりPG&Eは電力料金を払っている市民にサーチャージ(上乗せ料金)を加で、それを新しく出す社債の返済原資とすることが許されました。これで訴訟費用が増えても社債を発行し、それを後で値上げによりカバーすることで急な訴訟費用の払い出しに対応できるようにするというわけです。

山火事の原因を作ったPG&Eが救済されるのは市民感情としては耐え難いものがありますが、そもそもPG&Eが潰れてしまったら老朽化した送電線の架け替えも出来ないし、電気が来なくなると経済が混乱します。そこで事後処理のコストを会社側と顧客で痛み分けすることにしたわけです。


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