たとえばハーバード大学やイェール大学などのアイビーリーグの有名校を卒業すれば、就職には困りません。

でもこれは「言うは易く行うは難し」、なかなかの無理ゲーです(笑)

そもそもハーバードの合格率は応募者の5%、イェールは6%です。

「体感速度」で言えばこれらのアイビーリーグの有名校に入るのは東大に入るより10倍くらい難しい。

あと私立だから授業料がバカ高いです。平均するとアイビーリーグは1年間に5万1千ドルくらいかかります。だから四年で2286万円かかるわけです。

(奨学金が出るんじゃないの?)

これを読んでいる読者のみなさんがそう感じるのなら、それは甘いです。

実際にアメリカで受験生を持つ親御さんは、奨学金が如何に獲得しにくいか痛感しているはず。

だから(奨学金をもらうことを前提として……)というのは受験ストラテジーとしては全く失格です。

もちろん、確率的にあなたの子息がアイビーリーグ有名校に合格し、しかも奨学金まで貰えるケースも無いとは言えません。しかしアメリカの大学攻略に際しては、もうすこし丁寧な準備が必要だと思います。

僕はしばしば(子供をアメリカの良い大学に進学させたい。そのために親子でアメリカに住みたい)という相談を受けます。

「どの州でもいいんですか?」ということを確かめた上で、先方に自由裁量があるならノースカロライナ州、ミシガン州、ウィスコンシン州を薦めます。

これはどうしてか? と言えばこれらの州には:

ノースカロライナ大学チャペルヒル校
ミシガン大学アンアーバー校
ウィスコンシン大学マディソン校


というブランド大学があるからです。これらはいずれも「パブリック・アイビー」、すなわち公立大学だけど、アイビーリーグと同じようなプレステージを持つ大学です。

これらの大学はいずれも喩えて言えば日本の京大みたいなトップ・ブランドなので就職の時、不利になることは絶対にありません。

ノースカロライナ大学チャペルヒル校の場合、州内在住の学生なら授業料は僅か年間8986ドルです。

このように州内在住は授業料が安いだけでなく、受験の際も他州や外国からの応募者よりも少し入りやすいと思います。

さらにノースカロライナ大学チャペルヒル校の合格率は約30%です。

すると「すべりどめ」戦略として大いに利用できるわけです。

これに対して例えばカリフォルニア州の場合、「パブリック・アイビー」に相当する学校はUCバークレーとかUCLAになります。

しかし問題点としてはカリフォルニア州は巨大州であり、州内在住の学生だけの競争と言っても、それは大変熾烈になるということです。

UCバークレーとUCLAは暗黙の「併願排除」協定みたいなのがあり、片方に合格した受験生は、どんなに優秀でも、もうひとつからは落とされます。

またUCLAの場合、毎年10万人もの受験者が居ます。つまりUCバークレーやUCLAは博打すぎて「すべりどめ」にならないのです。

一方、日本人が多く住んでいるニューヨーク州には「パブリック・アイビー」に相当するようなちゃんとした公立大学はありません。

このように住む州を選ぶという選択ひとつで、受験生に圧し掛かってくるプレッシャーには大きな差が出ます。

最近、アメリカの受験戦争はグローバルになっています。中国などの新興国からも「アメリカの大学に進学させたい」という親がアメリカに来ています。それらの親御さんは、今日ここに書いたようなストラテジーにだんだん気がつき始めています。

一般に「パブリック・アイビー」と呼ばれる公立大学のリスト
UCバークレー カリフォルニア州
UCLA カリフォルニア州
バージニア大学 バージニア州
ミシガン大学アンアーバー校 ミシガン州
ノースカロライナ大学チャペルヒル校 ノースカロライナ州
カレッジ・オブ・ウイリアム&メイ バージニア州
ジョージア工科大学 ジョージア州
UCサンタバーバラ カリフォルニア州
UCアーバイン カリフォルニア州
UCデービス カリフォルニア州
UCサンディエゴ カリフォルニア州
イリノイ大学 イリノイ州
ウィスコンシン大学マディソン校 ウィスコンシン州
フロリダ大学 フロリダ州
ペンシルバニア州立大学 ペンシルバニア州
オハイオ州立大学コロンバス オハイオ州



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