いよいよ10月17日からカナダ娯楽用大麻(マリファナ)を解禁します。国全体として大麻の娯楽使用を許可するのはカナダが初です。(アメリカの場合、シアトルのあるワシントン州をはじめ幾つかの州ではすでに娯楽用が解禁されています)

大麻(カンナビス=cannabis)は麻(あさ)の花冠(花弁の管の集まり)です。

昨日、コカコーラがカナダの大麻業者と組んでCBD入りの飲料を開発することを検討しているというニュースが出ました。CBDはカンナビジオールの略で麻に含まれる成分のひとつです。精神作用はありませんし、濫用、常習性もありません。だからマリファナとは別物と考えた方がいいと思います。

北米株式市場には十数銘柄の「医療用大麻関連株」があります。

それらの銘柄は、もともとカナダ市場に上場されていたなどの経緯によりアメリカでも取引できるのですが、流動性に乏しいです。米国で資金調達を許されIPOした銘柄は、いまのところティルレイ(ティッカーシンボル:TLRY)だけです。

TLRY

これがなぜ重要かというと米国で資金調達しようとする企業は米国証券取引委員会(SEC)の審査を受ける必要があり、情報開示などの面でいちだんとハードルが高いからです。

またトレードする際、サクサク取引できるのはこの銘柄だけです。

同社の本社はカナダのブリティッシュ・コロンビア州のナナイモにあります。これはバンクーバーから海峡を渡った対岸です。ただ会社の登記は米国のデラウエア州となっています。また決算は米ドルで〆られています。

大麻は鎮痛薬、てんかん、PTSDなどの医療用の用途があり、医療用大麻は既にドイツ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、チェコ、南ア、クロアチア、キプロス、そしてアメリカの幾つかの州で合法化されています。

グローバルで見た大麻市場は1,500億ドルの規模があり、世界の大人の3.8%が大麻を使用しています。

一方、娯楽用大麻は冒頭で述べたように10月17日からカナダで合法化されます。

なお大麻の栽培は比較的簡単に始めることが出来ます。言い直せば、参入障壁は低いです。すると過当競争の中で生き残ろうとすると1) ブランド化する、2) 他の飲料、食品などと混ぜて消費する、というようなマーケティング上の工夫が必要になります。

すでにコンステレーション・ブランズ(ティッカーシンボル:STZ)などの企業がビールやワインに大麻を混ぜるプロジェクトに関心を抱いています。

ただ、現時点ではティルレイの売上高は医療用大麻のみからしか上っておらず、従って売上高は顕微鏡で見ないといけないほど僅かです。

ちなみに先日発表された同社の第2四半期決算はEPSが予想-9セントに対し-17¢、売上高が予想901万ドルに対し970万ドル、売上高成長率は前年同期比+94.0%でした。また販売量は前年同期比+745キログラム(+97%)の1514キログラムでした。

つまりティルレイの株高は娯楽用大麻解禁という「夢」に支えられているのであり、業績面での裏付けは無いということです。

相場の格言に「理想買い、現実売り(Buy on dream, sell on reality.)」というのがあります。だから10月17日以降も同社株を抱き続けるのは愚鈍な投資家だけだと思います。


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