テスラ(ティッカーシンボル:TSLA)のイーロン・マスクCEO米国証券取引委員会(SEC)から訴訟されました。

訴訟が提出されたのはマンハッタンの連邦裁判所です。

米国の証券法では上場企業の経営者が投資家を騙すような発言をすることを禁じています。

資金の出し手(サウジアラビアの投資家)と出資の確約を得ない段階で、ましてやディール条件すら詰めてない段階で「もう資金のメドは立っている」とツイートしたのはあきらかに嘘であるというのがSECの主張です。

SECの記者会見は東海岸時間の夕方5時からです。

【追記】
SECは以下の要求をしています。

1. イーロン・マスクは罰金を払う事
2. もしトレーディング益を得ていたのならそれを放棄すること
3. 上場会社の役員には就けない(→つまりテスラのCEOを退くこと)

【感想】
まず今回の被告はテスラではなく、イーロン・マスク個人であることを強調しておきます。またこれは民事訴訟(刑事訴訟より軽い)です。一部の報道機関が報じた「一般投資家が被った損を埋め合わせる(restitution)」という要求は訴状の中には無いと思います。

もしイーロン・マスクがテスラのCEOを退き、取締役にもなれないというのであれば投資家がいままで通りテスラを支持するかどうかは疑問だと思います。

加えてスペースXはゆくゆくIPOも視野に入れていると言われていましたが、イーロン・マスクがCEOである限り、IPOは出来なくなります。(非公開のままならCEOで居られる)

テスラはいま資金繰りが厳しいです。今回の起訴はテスラを相手取ったものでは無く、イーロン・マスク個人を相手取ったものです。だから直接関係ないです。しかしイーロン・マスクが係争中であれば投資銀行はテスラの社債や株式を引き受けることには二の足を踏むと思います。つまり資金調達の自由度が大きく狭まるわけです。

テスラの社債がどれくらい売られるか注目したいと思います。株式の方はアフターマーケットで-10%くらい下がっています。